バカラのグラス
行きつけの酒屋さんは良い酒屋さんだか時々勘定を間違える。
いくつか酒を購入し、いざ会計を済ませてレシートを見ると、合計金額が合わないことしばしば。
少なく請求されていることはなく、いつも大体七、八百円多い。 店員さんを見ていると、瓶のラベルにあるバーコードをピッと読み取って会計しているわけだから、間違えようもないハズなんだけど、間違ってしまう。
別の店員さんが会計をしても違っていることがあるから、レジがおかしいものと思われる。 どうにかしてください。
先日、晩酌していたらなんだか気分がよくなってきたので、バカラのグラスを引っ張り出してきて、これでロックをヤッた。 久しぶりに持つとズッシリ重い。
平目の昆布〆をつまんでいると、次女がかけてきた。 こういうときは大抵「おつまみのおねだり」なのだ。 小さめの一切れを口に入れてやる。
もう少しゆっくりとしていけばいいのに、目的を果たしたら一目散にかけていく。
しばらくすると、また戻ってきたので催促かと思いきや、どこからか折り紙の手裏剣を拾ってきていて、オイに手渡そうとする。 しかしうまくタイミングが合わずに床に落としてしまった。 最近こういう場面に出くわすと、次女は「あーっ」とあたかも自分には非がない態度で声をあげる。
腰をかがめて拾い上げたが、その際テーブルのフチに頭をぶつけてしまった。 瞬間、テーブル上の伊佐美がグラついたので、とっさに手でつかみ止めると、今度はとなりの魔王がその振動で揺れ、ゆっくりとバカラの上に倒れてきた。 その光景は酔っているせいか、まさにスローモーションだった。
「パシリ」
長男がまだ幼い頃、何気にバカラを持ち出してきて牛乳を飲んでいたことがあり、でも大丈夫だろうとそのまま放っておいたら牛乳ごと床に落っことしてしまったことがあった。 それでもヒビひとつ入らなかったのに、今回はあっけなく、割れてしまった。
マーフィーの法則に「グラスは買った瞬間に割れたものとみなせ」というような話があったような気がするが、別段ちっとも残念だと思わなかった。 購入してから大分経つせいもあるのかもしれないが、とにかく中身の焼酎のほうが惜しかった。
大事なのは中身だ。 グラスなんて、無印やフランフランのもので十分。 全然惜しくない、惜しくない。
[…] 様式をモチーフにしたグラス。 洋酒を飲むのではなく、焼酎をやるつもりで購入した。 バカラを壊して以来、このところ焼酎には至高の焼酎グラスや香酒盃を使っていたので久々のク […]