乾杯とは勝負である
主に晩ごはんの時。 息子はオイの隣の席に座る。
そしていただきますをするやいなや、
いつからか必ずオイと息子は乾杯をするようになったとさ。
「パパかんぱーい。」と、息子。 「よし乾杯」と、オイ。 「カチン。」「グビグビ。」 息子は牛乳を水がわりとしており、一気に飲み干す。 オイはまずはビールなので、細長いグラスに注がれた黄金色の液体を一気に飲み干す。 そして「あーうまかー。」とか二人で言うわけさね。
そしてしばらくして。 また息子は乾杯を挑んでくるわけ。 そのころになると、もうオイは、焼酎なんか飲んでいるわけで。 どっちかっていうと、ゆーっくりと一杯やりたいわけで。 でもしょうがないのでまた乾杯に付き合い、スーッとお互いに飲み干す。
息子の問題点としては、乾杯とは、グラスをカチンと合わせたあと、相手(オイ)よりも先にグラスを口につける勝負と思っていることと、そしてそれをいかに相手(オイ)よりも先に飲み干すかが決め手であると、勘違いしていることと、乾杯を何遍やってもよいと勘違いしている所と、いかに自分がその勝負に勝とうとも、 相手がひとたび持ったグラスが、空になるまでじーっと見つめているところである。
そうそうね、焼酎を一気なんてしていられないんですよ。 まるで学生時代の酒癖の悪い先輩のような我が息子であります。