はッ倒すぞ、この野郎!
思った以上によくできてしまった白菜漬けを切り分けてから器に入れ、ラップをかけて冷蔵庫にしまおうとしたところ、ラップは細長の箱から「ピッ」と5センチばかり出てきたところで終わってしまった・・・。 紙製の芯と、外箱のこすれる音が一瞬した。 これじゃあ包めない。 このやるせない気持ちったら無い。 もっと、なんちゅうかこう「もうじき無くなるサイン」を示すことはできないもんなのだろうかラップよ。
ラップの空き箱をゴミ箱へ投げ捨て、アルミホイルに手を伸ばした。 これでも十分代用できる。
そのアルミホイルは未開封のものだった。 銀色で横に長い角箱の、開封口をさがす。 ベリベリベリとワンタッチでめくりとれるあの部分を、くるくる回しながら探す。 が、どこにも見当たらない。 おもわず「あらー? こんなに見つけにくかったっけ?」と独りつぶやいてしまう。
少しイラリとしながら慎重に、箱をなめるように見回した。 そしてようやく見つけた。 やけに目立たない開封口だった。 早速そこをつまんで、横一文字に勢いよく引っ張った。 ベリベリベリと小気味よい音、感触を味わいながらアルミホイルは開封されるハズだった。
がしかし、その開封口は、半分ぐらいきたところでちぎれてしまった・・・。 3秒間、ちぎれたベリベリを手に持ったまま箱を凝視しつつフリーズした。
マグマのように血がたぎるのを感じた。
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