タフ
会話の途中で飲み会に誘われたので快諾した。
「えーっと、あの通りわかりますよね? あそこから横道に入ってホラ、店の名前なんだったかな、あの王さんの店」
先方さんは現在師走並に慌ただしいそうで、店の名前と場所が出てこない。 でもその辺の道は何べんも歩いているから頭に入っている。 当日近くまで行ってから連絡したらよかろう、と考えた。
いざ当日。 近くまで来たところで先方さんに連絡するも、いっこうに連絡がとれない。 じき開宴時間の20:00である。
こういう事なら事前に連絡して店の名前を聞いておけばよかった、と後悔しながら「通りの名前と王さん」で検索してみた。
それと思わしき店が見つかったので電話をし、予約が入っているかを聞けば、まさにそこだった。
時間ギリギリだ。 すぐに向かい、店に入るやいなや、宴会の旨を店員さんに伝えたら「まだどなたも来ておりません」という。
…変だな。 すでに20:00ではないか。 嫌な予感を感じながら「予約時間は何時からです?」と聞いてみたら嗚呼やっぱり…。 一時間後の開宴だったのだ。
ここで再度先方に電話を入れるもつながらない。 たしかに開宴時間は20:00だと言っていたハズである。
仕方がないので付近をうろついてヒマつぶしをしていたら、アッという間に時間が来た。 店に入れば多くの人が集まっている。 約束をした当人がいたのでこれまでの流れを伝えたところ、
「店の名前言ってませんでしたっけ? 時間21:00って伝えてませんでしたっけ?」
と返ってきたのでこれ以上この話をするのを止め、めいいっぱい宴を楽しんだ。