旬とはつまり
小池一夫先生の、このツイートが物議を醸している。
食費にお金を若者はかけられないというが、それは、言い訳。今日のお昼ご飯、鱧のおすましだったけど、家人に聞いたら、実質何百円だって。骨切りした鱧も旬だから安いし、他の材料も残りものだしって。やれば出来る。やらないだけ。(小池一夫) pic.twitter.com/0tyD1LWoIv
— 小池一夫 (@koikekazuo) 2017年8月12日
若者は、食費にお金をかけることができないと言っている。
でもそれは言い訳である。
私の今日のお昼は鱧のおすましだった。
こしらえた家人に聞けば、何百円の材料費で作ることができたという。
鱧は今旬だから安いし、吸い物に用いたその他の材料は残りものであるし。
安くて美味しいものを食べることはできる。 作っていないだけなのだ。
先生の主張をかみしめるためにあえて自分が呑みこみやすい文にしてみた。 このツイートに対して、
「そもそも吸い物ひとつに何百円もかけれるワケないじゃん」
という意見が圧倒的に目立っている印象を受けたが、真意はそこにない事は明白である。
先生がおっしゃりたいのは、一見手の込んだ食事に思えるものでもちょっとした工夫をすれば、手軽に食べれるものなんだよ、という事だ。
現にこの後、先生は「吸い物にした残りの部分はその後ハモ寿司になり又、ひつまむし風のご飯になる」とおっしゃっている。
ハモは骨や皮、内臓にしたって捨てる部分のない魚である。 先生が丸ごと一尾の鱧を手に入れたのか、骨切りされた鱧の身を買われたのかは定かではないが、吸い物の画像を見る限り 、あの一切れで何百円もするハズがそもそも無いのである。
それを言葉尻をとらえて「一杯何百円もする鱧の吸い物なんて生活するのもやっとだし、一日10時間も拘束されて働いているのにそんなの作る余裕なんてない」と意見しているのはとても滑稽であり、せめてネタであってくれと願うばかりである。
私も若い頃、狭い部屋で一人暮らしをしていた際、当初は自炊なんてしていなかった。 コンビニでパンを買ったりラーメンにお湯を入れたりと。
それが当時のパートナーのおかげで食に目覚め、自炊したほうが何倍も安上がりで美味しい事を思い知らされて今に至る。 美食はお金が無いとできないというのは幻想であるし、それは言い訳だと私も強く主張する。 無理だと思う方は是非メールにて現状の食生活とそれにかかる経費を教えていただきたい、僭越ながら助言さしあげる。
先生の真意は「食費にお金を若者は……」ではなく「食事に手間を若者は……」であると私は解釈している。