後悔か崩壊か
世はGW真っ只中だが、部活に勤しむ学生に余暇は無い、練習練習。
息子の同級生である屈強な中学生が二人我が家へ泊まり込みに来た。 食べさせるは定番、カレーライスである。 でもいくら味にこだわろうとも、何か見た目にインパクトが欲しく又、ボリュームあふれるカレー界の二郎を目指すべく、上にブタヒレのステーキカツと、ホウレンソウのナムルをトッピングした。
飯は三人の為新たに7合炊いた。 さあ食べよ、モリモリ食べて練習し、逞しい体を構築するのだ!
食べている所を見ていたが、期待していたような「うわ、このカレー凄いボリューム!」とかそういった感嘆符付のコメントもなくただ黙々とおかわりをしながら食べ進み、サラリと完食した少年たちだった。 中学生ともなればクールなのな・・・。
GW中、彼らに与えられた休日は一日のみである。 あとはひたすら体を酷使し、わが鍛錬を行うだけである。 練習後も忙しい。 各々強化すべきテーマを持っているから、ランニングをしたりスクワットを始めたり。
そこでおじさんは何かの足しになればと、昔己がコツコツ取り組んでいた筋トレ法の中でも効果抜群の「コロコロ」を提案すべく、物置から引っ張り出してきたのだ(とっておいたんかい俺)。
正式名称はもはや思い出せないが、通称「コロコロ」と呼んでいた器具である。 単にグリップを両手で支持し、体を前後にシャクトリ虫のようにコロコロ転がすだけなのだが、その牧歌的な外見からは想像もできぬ、一度やった事のある人間にしか理解できない、過酷な鍛練法なのであります皆さん!
まずは模範となるべく、やってみせねばならぬ。 かの山本五十六元帥はこう言った。
やってみせ、言って聞かせ、させてみて、誉めてやらねば、人は動かじ。
おもむろにビールの入ったグラスをテーブルに置き、床にしゃがんでコロコロを持つ。そして恐る恐る、前へと体を伸ばしてゆく・・・もうこれ以上伸びない・・・もうムリ、でもやってみせねば・・・ンガーッ!
と、たった一往復するだけでもう、全身が悲鳴を上げた。 実際腹筋あたりから「メリメリ」という筋繊維の切れる音が聞こえた。
「諸君、これがよく効く全身筋トレ法だ、わかった!?」
一同特に動じず幕は閉じた。
そして今、世間は黄金週間真っ只中だというのに、猛烈な腹筋の痛みに見舞われ中である・・・。 あくびをしても腹筋痛、ビール飲んでも腹筋痛、歩いても座っても腹が・・・猛省。