麗しき M1400 JWT
白いスニーカーを検索していて辿り着いたのは、ポンプフューリーだった。 と言ったが本当は街中ですれ違ったオシャレな五十代後半的男性が素足で履いていたのが、一瞬だったから確証はないが、白いポンプフューリーだったのだ。
公式サイトを開いて狙いを定め、いざ購入! とその前に、なんとなく白いスニーカーを検索してみる。 この行動は私の、あらゆるウェブストアでの買い物に付随するものであり、買う事は決まっているのにどうして即購入せずに、じれったい行動をとるのかは、自分でもわからない。
さて、今回のスニーカーは、そうして歯切れの悪い検索中に、偶然その存在を知ったものである。 二十年来ニューバランスを愛用している者として、見過ごすわけにはいなない1400という品番、造形。
とにかく白い。 シンボル「N」だって、見事に白いスニーカー。 予算から一万円上乗せとなったが、物欲が爆発した。
ところがこういう、ホントに欲しくなったモノに限って完売しているのは世の常であり、事M1400 JWT にしても例外ではない。 血眼になって、嫌いな楽天市場も覗いてみたが、どのお店も完売であった。
くやしい。 とてもじゃないが、もうポンプフューリーになんて移れない。 戸棚からおやつのぬれせんべいを引っ張り出して三枚かじり、お茶をすすって落ち着いたところでZOZOさんを覗いたところ、見つかったのだ1400が。
大足で良い事もたまにはあるものだ。 29cmがわずかに残ってくれていたのだ。
購入手続き終えるまで10秒かかりませんでしたね。
いざ届き、箱を開けた瞬間、発せられた溜息は、深く長いものだった。 まるで美術品・・・足を入れる事がためらわれる滑らかな革質。
しばらくの間眺めまわしたあと、紐をはずしてオイルを塗りこみ、磨いてから再度紐を通し、履いた。
慣れたニューバランスが、こうも心地良いものだったかしら。 革が柔らかい。 もはや1300のねずみ色になんて戻れない潔白。
つま先部の丸まり方は576より可愛らしく、デフォルメ感がある。
あいにくおろした日は小雨だったが、ここは臆せずスニーカーだもの、気軽に履いて出かけたい。 と格好つけたものの、泥はねが恐ろしい事。 水跳ねする度気になって、おちおち買い物なんて、してらんない。
経験上、この気遣いが半月ほど続き、やがて汚れも気に留めなくなってくるのだろうきっと。 でもメンテナンスはとことんやるし、芯から愛す、我が相棒なのだ。
消えない汚れがチラホラしてきた頃、ちょうど革も足に馴れ、見違えるような表情を見せてくれる事だろう。