長崎人による日本橋 長崎館の辛口レビュー

目ガシラ熱いです、ついに首都圏へ、長崎のアンテナショップができました! 3月7日オープンの、その名も長崎館。 早速見てきた感想を書かせていただきます。
レビューは良い点 → 悪い点 → まとめ、という順で書いています・・・という予定だったのですが、あえて長崎県民として応援の気持ちを込めて、心より辛口に感想を記します。
立地
東京都中央区日本橋二丁目に長崎館は生まれました。 近くにタカシマヤとかコレドがありまして好立地ですねこれは。 向かうとモノモノしくも愛嬌ある書体で「長崎館」の看板が見えました。
が、いざ目の前に来るまでは「本当にココやろか長崎館は?」という不安がぬぐえませんでした。 理由はノボリや立て看板等設置されていないからです。 冒頭の看板もなんか駅の出入口表示みたいですよね。
しかもそれが壁となっており、ぶっとい柱も立っていて、一見するとまさかこんな所にアンテナショップがあるワケないでしょう、という威圧感がございます。
ビルの仕様としてノボリ類の設置は不可なのかもしれませんが、もう少しなんかこう、通りの向こうにも長崎館の存在を知らせる愛嬌が必要でしょう。
館内

広々としており明るい照明で都会的です。 重々とした扉を引いていざ館内へ・・・て、ホントに重たい扉ですねコレが。 あたかも入館を拒んでいるかのようにズッシリとした関門です。
これでは子供やお年寄りはせっかく遊びに来たのにくたびれちゃうかもです。 是非予算をたっぷり割いて自動ドアにしていただきたい所です。
館内は4つの区分に
館内には4つの区分があります。
- 観光案内:右側手前
- 物販:中央
- イベント:左側手前
- 軽飲食:左側奥
物販エリアについて
個人的に、一番興味あるのは物販です。 ズラリ県産品が豊富に取り揃えられております。 おなじみ角煮まんじゅうやカステラ等長崎色満載ですね。
と、一通り眺めましたが、いかんせん実はこれまでも「長崎よかもんショップ・四谷」という長崎県の首都圏営業拠点が、かの名酒屋「鈴傳」近くの裏通りにあったワケですが、ほぼそちらと同じ品ぞろえでした。
唯一違っていたのは、ふだん直営店や物産展でしか買えない岩崎本舗の角煮まんじゅうがあったくらいですかねえ日本橋のほうには。
ずばり広い館内に対し、商品量が少ないというスキスキ感がアリアリ感じられましたので、もっと長崎には良かもん沢山ありますので、盛って強気の陳列を心がけていただきたい所です。
個人的な要望としては、
生鮮を置け!
ですね。 水産県長崎は、せっかく良いモノもっているのにアッピールがまったく足りません。 年中バッチバチの魚が揚がるんですから、こんなサイトをこしらえるよりも、ズバリ現物を並べなさい!と。
需要あるハズです。 ただ「売れ残ったらどうしよう」というリスクは負います。 でも、長崎県を宣伝する為にそもそも存在しているんですからやるべきです。 もちろん魚に限らず肉、野菜もですね。 これらを陳列すればドカンとボリュームでて活気あふれる売場になります。
首都圏に無数点在するアンテナショップと同じ事していてどうするんですか、もっと目立ちなさいよ長崎!
観光案内エリアについて
人はお店に入ると、まず右回りに店内を回ってゆく生物だといわれます。 となればこの観光案内は、館内で一番良い場所を割り当てられている事になりますね。
観光地長崎にもっと観光客を!
結構な事でございます。 でもいかんせん、まだオープンしたばかりですからさほぞ盛り上がって観光を案内してもらおうというお客さんはいませんでした。 といいますか、「ウチに遊びにおいでよ!」は、人と人との交流でも仲深まった、最後に訪れる双方同意的楽園でしょう。
だからまずもってイキナリ「ウチに来い!」じゃなく「まずはお茶でも」と、くつろいでいただくほうが先です。 結果軽飲食のエリアと場所を入れ替えたら良いんじゃなかろうか? と感じましたね。
イベントエリアについて
こちらも目立つ場所ですね。 やはりオープン間もないちゅう事で、訪ねた際は何のイベントもやっておらず、壁面に薄暗いプロジェクタの映像がスライドショーしており、テーブルとイスの並んだ閑散空間となっておりました。
こちらはやり方次第で活きますよ。 サイトのイベント情報スケジュールを見ると、
なんでもう四月も下旬なのにまだ三月の予定のままなんだ、
というのは置いといて、各地方の特産品アピール物産展が計画されているようです。
こういうのはコツコツ根気よく続ければ長崎の為になると思います。
資料を見ると、長崎に関連する物販を伴わないイベントを行う際は、無料で利用できるみたいなので、是非ぷちぐるの料理教室でもやってみたいなあ、なんて考えています。
軽飲食エリアについて
さきほど観光案内エリアとココの場所を入れ替えたらと言いましたが、軽飲食のエリアは表にあったほうが「人が入っている感」を演出できますからね、双方良しです。
ともあれ訪れた際はオープン間もなかったという事で、誰も軽く飲食はしておりませんでしたが、とりあえず座って焼酎呑み比べセットと、日本酒を注文してみたんです。
カウンターに入っていらしたスタッフさんが素人だというのは一目瞭然ではありましたところ、いささか残念な部分が多いに目立ちました。 長崎には蔵元が少なく、でもみなそれぞれ身を削って良品を作っておられます。
ところが私の注文した純米吟醸酒は雑然とカウンター上に放置されておりまして。 よく見れば一升瓶のフタが半分浮いているじゃありませんか。 一体何日間常温に置かれていたのでしょうこの日本酒は。
長崎人として、酒飲みとしてさすがに黙っていれずに言いました。
この酒、ちゃんと冷蔵庫に保管したほうが良いですよ。
と。 言われた当人は「はて?」という感じで奥に引っ込んじゃいました。 とにかく酒をいじめちゃダメです長崎館。 是非予算をたっぷり割いて冷蔵庫を設置していただきたい所です。
焼酎呑み比べに関しては、長崎県産焼酎銘柄を芋麦(米はなかった)にこだわらず並べられて「選んでください」という方式でしたが、これは飲み比べというよりも、ありったけの長崎産焼酎を並べたてただけなので、まずはスタッフが味の向きを知り、特徴的な味なのをあらかじめいくつか選んでおいて、そこから供するべきでしょう。
現状のままでは「なんだ、ラベルが違うだけで全部同じ味じゃないか」と言われかねません。
もっと言うと、県産酒を飲ませるだけでなく、キチンと売ってください。 近くにあるおいでませ山口館は、都内の有名酒屋でも見かけない山口酒を売ってましたから箱買いしましたし、富士の国やまなし館は、ワインの試飲カウンターに、販売スペースも思わず見入るものでした。
酒を大事にすれば、ホロ酔い気分でその他も売れるんです。
以上4つのエリアの感想を並べました。
その他
カウンターの後ろから「カンコロモチはいかがです?」と声をかけられたので振り返れば、キャラメル大に切ったカンコロを、ホットプレートで焼いて楊枝を刺して供していました。
一口頂戴すると、まさにカンコロの味がして懐かしく、店内を物色して乾燥カンコロを買い求めたのですが、この乾燥カンコロ、実は犬のおやつに最適なんです(同行の友人談)。
焼かずにそのままかじらせたら犬さんは大いに喜びます。 無添加食品ですしね(人は噛みきれない硬度です)。
その話を伝えたところ「カンコロを犬に食べさせるなんて聞いたことありません」と心のドアを閉じたスタッフさんでしたが、東京で商売をやると、このような普通では思いつきもしない柔軟な発想をお持ちの方々がごまんとおられ、その方々の無料アドバイスのシャワーを浴びれる事こそメリットだと思うんです。
なので色々試行錯誤しながら是非、長崎県の魅力を広く伝えていって欲しいと強く願っております。
以上少々辛口な、長崎館の感想でした。
ちなみにこれから東京へ向かう際は必ず寄るようにしますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます、長崎を盛り上げてまいりましょう!
※そうそう、天井に沢山吊り下げられたハタも三分の一ぐらいにしたほうがウルサくないと思います。 ていうか、どうしてこんなに面白い商材を吊るだけで売らないんですかね、疑問です。
揚げ方に関しては私が手ほどきしたいぐらいなんですけどね、長崎ハタ。
追記180415:日本橋 長崎館リニューアル
2018年4月1日にリニューアルしたそうです。 店内覗いてみると、以前の解放感あふれる空間から手作り感あふれるウッディな棚が張り巡らされた場所へとなっていました。 商品構成やハタの数には変化のない模様です。 ちなみにリニューアルにともない運営受託事業者がノムラデベロップメントからデイ・ナイト株式会社へ変わっております。
公募自体は県が17年10月末より行っていたようですね。 わずか二年での運営受託事業者変更は、何を意味するのでしょうか。
日本橋 長崎館
- 東京都中央区日本橋2-1-3アーバンネット日本橋二丁目ビル1階
- TEL.03-6262-5352
- 営業時間)10:00~20:00 年中無休