たぶん当たり
「おにぎりつくって!」
と、夕食の仕込みをしていたら次女は駆けてきた。 ここんとこよくある光景で、三度の食事はしっかり摂るものの、小腹が空くらしい。
小ぶりな三角おにぎりをこしらえる。 「塩味で海苔巻いて。 梅干しはいらない」とオーダーを受けているのでその通りにやる。
できあがるのを横でじっと待っているので、時折おにぎりをポイッと宙に投げながら握るとニカリと笑う。 小皿におにぎりを乗せて、はいできあがり。
それを受け取りながら、突如彼女は「さっきのアレ当たりだったよね?」と聞いてきた。 何の事かサッパリ分からなかったが、ひとまず「ああアレね、当たりだった!」と答えたところ、
「当たりだったの?」と今度は真剣な眼差しを投げかけてきたのでドキリとしながらも「ていうか何の事?」と聞いてみようかとも考えたが、やめておいた。
「うん、あれは当たりだった!」
一体何の事なんだろう?