次女二歳
早いもので次女は二歳になった。
近頃やけに言葉がポイポン出てくるな、と思っていたら、もう二歳なのだ。 早い。 おそらくもう子供は作らないだろうから、二歳児とはこれで遊び納めだ。 そう考えるとなんだか寂しい気もする。 ウチは、子供が二歳になったら、次の子ができるという流れでこれまで来たんだよなあそういえば。
なついているようでいて、さほどでもないのが次女の特徴。 ママのほうがいいらしい。 でも、オイが出かけるとなると、後追いをする。 外出するフリだとしても、「一緒に行く」とダダこねる。 相当外好きなのだ。
近頃バズ・ライトイヤーを我が子に見たてており、どこへゆくにも一緒だ。 熱を測ってみたり、寝かせつけたり、絵本を読んであげたり、たまに叱っているときもある。 その現場を見られることが嫌なようで、ばったり遭遇してしまうとバツが悪そうにどこかへ去ってゆく。
次女の大好きなケーキが売り切れていたので、いつもと違うものを買った。 たぶんヘソを曲げるだろうと思いきや、きょうだい達からの騒々しい祝福の雰囲気にのまれて楽しくなったらしく、ケタケタと笑い出したので一安心。 ろうそくを吹き消す瞬間を撮影したら、これまでのどんな写真よりもいい一枚が撮れた。
皆でケーキを食べていると、シフォンケーキの差し入れがあった。 近所の奥様が、上手に焼けたからと次女へプレゼントしてくれたのだ。 それを受取ったのが次男だったからいけない。 「これはオレのもの!」と激しく自己主張した結果、ついに彼のシフォンケーキとなってしまった。
その時の次男の得意げな顔をみつめる次女の視線は、砥ぎたての柳葉包丁のように妖しい光を放っていた。
