甲府鳥もつ煮
テレビをつけたらB-1グランプリの話題だった。
今年9月に行われたB-1グランプリ厚木は、43万人もの来場者があったという。
その中で初出場ながら優勝してしまったというのが、甲府鳥もつ煮である。
甲府鳥もつ煮とは、読んで字のごとく、「鶏のモツを煮たもの」である。 レバー、スナズリ、キンカンなどを、醤油味で甘辛く煮て作る。
創案者は、塩見力造さん85歳。 今から60年前、25歳の時だったという。
甲府鳥もつ煮の作り方
- 鶏モツ(レバー、砂ずり、キンカン)を鍋に入れ、甘辛醤油だれで煮込む。
- モツに火が通ったところで、タレを鍋からあけてしまう。 モツはそのまま強火で熱し、 照りをだす(照り煮)。
- 終始強火。
以上テレビ番組の解説による作り方。 非常にシンプルな調理法である。 照り煮のところが面白い。 普通、テリを出したい場合は「タレだけ」を鍋に残して煮詰め、そこへのけておいた素材を戻し、からめる手法がとられると思うが、それが逆なのだ(例:ブリ大根や煮っ転がしなど)。
この作り方だと、のけたタレが残るから、あくる日また鶏もつ煮を作るときに、流用できるだろう。 減った分を、注ぎ足し注ぎ足し続けていくと、鶏の旨味が、少しずつタレに移っていくはずだから、いっそう旨い鶏もつ煮になるに違いない。
マネて作ってみた。 キンカンは手に入らなかったので、ゆで卵で代用した。 無論旨い。 泡盛ロックで一皿全部、平らげた。
鶏モツ料理にはずれはないもんなあ。 B-1グランプリで優勝するのもうなづける。
優勝をうけて甲府では、凱旋パレードが行われるほどの盛況ぶりだったという。 コンビニやスーパーでも売られるほどの人気ぶりなのだとか。
B-1グランプリで好成績を残すと、町おこし効果も絶大なのだ。
となると、我が長崎も、ひとつ目玉をこしらえて、出展してみてはどうだろうか、と思ってみれば、出てたんだ→小浜ちゃんぽん – B級ご当地グルメの祭典!「B-1グランプリin厚木」公式サイト。
うーん、長崎名物界の重鎮でもグランプリはとれないのか(一体どのくらいの得票数を得たのだろうか)。 となると何か長崎っぽくて面白いもの・・・旨い、安い、そして珍しいものといえば・・・何だろう?
過去のグランプリ一覧を見てみると、どうやら甘辛醤油味がウケているようだ。 となれば、やはりその例にならうとして・・・長崎っぽいもの・・・・・・鯨の竜田揚げはどうだろうか。 でもさして珍しくもないかなあ。
いっそ、甘辛醤油味から脱却するのはどうか。 鯨の赤身をトマトソースで煮込んでも旨いんだよなあ(例:ホルモンのトマト煮)。 水産県として、やはり海産物を活用したいところ。 前々からあたためていたアイデアとして、「海苔の佃煮」をトマトソースで作るというのもあるのだが。 ていうか、どうしてトマトソースに流れてきたのだろう。 あ、甘辛醤油から脱却するという話からか。
いやあ、ご当地グルメを作り出すのもなかなかムズカシイ。 町おこしったって大変だ。