ビールとネズミ
ねずみはビールが好きなんだって。
ネズミに水とビールを一緒に差し出すと、ビールを飲む。
初めは両方飲みくらべているが、二日目になると、まっすぐビールのほうに向かうようになるそうさ。 「アルコールが好きでは?」ということで、ビールとアルコールを一緒に差し出すと、やっぱりビールに向かうとのこと。
そのうえ好みの銘柄もあるそうな。 色んな銘柄のビールを飲み比べさせると、ある一定のメーカーに集中する。 しかもそのメーカーは、必ずしもよく売れているとは言いがたいメーカーも含まれているとのこと。 さらに、人間の研究者に銘柄を隠してイロイロ飲ませてみると、なんとほとんどネズミが選んだ銘柄と同じになるそうな。
ビールでもうひとつ。 ドイツといえばビール。 中世ドイツでは面白いやりかたでビールの品質検査がなされていたそうな。
醸造業者の中にはとんでもないやつがいて、ビールの絞りかすに水を混ぜてそれらしく見せたりという不正がはびこるようになったので、3人の鑑定官による検査が行われるようになった。 その検査とは。
3人の鑑定官が木のベンチに腰掛けて味覚検査をやる。 その際、鑑定官は鹿革のズボンを履き、まずはビールでベンチを塗らしておいて、その上に腰掛ける。 そうして2~3時間かけて検査を続ける。 そして3人いっせいに立ち上がる。 その際、ベンチがお尻にくっついて持ち上がったら、検査は合格。 上がらないと不合格となったそうさね。
このテストは、「ホーゼンボーデン・プローベ(ズボンのお尻による検査)」と、呼ばれたそうな。 ズボンに粘りつかないほど水っぽいビールは、麦芽の使用量が少ない。 と判定されたと考えられる。
一方、イギリスでも同じ検査が行われていたそうな。 でも、ドイツの時とは反対に、「ベンチが持ち上がるビールは悪いビール」と、されたそうな。 イギリスではビールに砂糖を添加することが健康に良くないとして禁止されていたため、粘りつくかどうかで、糖分の検査をしたのだと考えられるらしい。
以上 読むクスリより