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2008/07/07

断、乳。

次男が生まれてから一年少し経過しているという事実に戸惑いをかくせない。 一日が、いや一ヶ月が、いや、一年が早い。 年をとるにつれて少しずつ人生が早送りになっているような気がしてならない。

同じ世代の人々と会話してみても「早っ、また盆がきやがった」とか「もう一年半分終わっちゃった。 この前正月が来たと思ったらいつの間に・・・」という話をよく聞くので、結構皆そう感じているようだ。

どっちかっていうと、ヒトよりサルに近かった次男はずいぶんと人間らしく成長した。 ひとりでお座りができたり、つかまり立ちができるようになった。 この調子だと、そろそろ歩くのだろう。

初めて寝返りをみせた時の感動は今でもよく覚えているが、ここでもうひとつ、次男を待ち受ける試練があるのだ。

それは断乳。 乳を、金輪際断つのである。

息子はこの世に生を受けてから一日たりともおっぱいを欠かしたことがない。 離乳食を食べてはいたものの、ちょっと機嫌が悪くなるとおっぱい、眠くなると、おっぱい。 とにかく食料ていうかなんていうか、もはや次男にとって、精神安定剤のような役割を、嫁の乳は果たしていたのだ。

それがある日突然、なんの前ぶれもなく飲めなくなってしまうという次男に同情を禁じえない。 「よく見てみろよ、まだ彼は乳児だ。 あと2、3ヶ月は飲ませてやりなよおっぱいを。」

と、なんとかして次男とおっぱいのつながりを維持させてあげたいオイは嫁に言うが「それは優しさではなく、甘やかしやぞこら・・・」と、嫁の断乳に対する決意は熱く、固い。 母乳をあげていないオイにはこれ以上踏み込めない何かがある。

今まで2人のわが子に断乳をさせてきた嫁は、もはや断乳に関してはいっぱしのモンである。 今回の次男に対する断乳もスムーズに終えさせようとかなり気合が入っている。

「何故、おっぱいを止めねばならんのか。 出るものは、ずっと飲ませればいいだろうに。」という素朴な疑問を嫁にぶつけてみると、それでは「噛む」ことをしないのでダメとか、虫歯になりやすいとか、他にも色々な理由をまくし立てる。

長男も長女も、たった一日できっぱりとおっぱいを断つことができた。 はじめはおっぱいをねだるが、泣いてもわめいてもおっぱいを飲ませてもらえないとわかると、キッパリとあきらめるのだ。 わが子が泣き叫んでいるのにおっぱいをあげることができないということは母親にとっても大きな苦しみなのだがそこをぐっと我慢するのだ。 母子共に大変だ。

夜中、次男の泣き声で目が覚めた。 かなり盛大に泣いている。 いつもならば、ここでおっぱいをくわえさせると、何事もなかったようにまた眠りにつくのだが、なぜだか今日はおっぱいをもらえない。 なんでか? おれ、怒るもんね、という怒りにも似た叫びをあげている。

嫁は前もって用意しておいたコロコロミニおにぎりを差し出すが「こんなもん食うか、ペシッ」とはねのける。 麦茶を差し出してみると、それはチビチビと飲む。 のどが渇いていたのだ。 おっぱいは食べ物でありながら飲み物でもあるのだ。 次男は落ち着きを取り戻し、再び眠りについた。

1時間後またおきた。 麦茶を飲ませてだっこしてお尻をトントンしながらゆっくりゆらしているとまた眠った。 1時間後またおきた・・・

という風に、断乳一日目は断続的に目を覚まし、母子共にろくに寝られなかった。 オイも寝れなかった。 長男、長女は何事もなかったかのようにスヤスヤ寝ていた。

今までの経験上、断乳二日目になると、もはやおっぱいのことはすっかりと忘れ、ご飯をモリモリと食べ、ぐっすりと眠るハズなのだが、次男はよほどおっぱいに執着があるらしく、おっぱいをねだりつつ、夜もなかなか寝ようとしない。 あまりにもぐずり、寝ないので、母は心が折れ、おっぱいをあげてみようかとも一瞬考えたが、それをやっちゃ、これまでも苦労も水の泡だし、なによりも次男の為にならない。 心を鬼にして、おっぱいなしで何とか寝せようとガンバル。

嫁の目の下にうっすらとクマが見えはじめた断乳四日目、ついに次男はおっぱいを忘れることができた。 彼はもはやおっぱいを必要としない。 食物でエネルギーを得るのだ!

おいしいご飯をがんばって作るので、ワシワシと食べて大きくなってください。

※嫁のおっぱいは吸われないためにカチカチに張り、痛い痛いと専用の器具でしぼりだしている。 おっぱい当人的にも、突如始まった断乳に驚きを隠せず、生産量の調整ができないのだ。 しばらくは必要なものだと母乳をガンガン作り続けるが、やがて需要がない事に気づく。 

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