古川ぶどう園のシャインマスカット
あえて書きたくないレシピや、あまり知られたくないお気に入りの店というものを人は持つ。
古川さんの葡萄に関してもまさにそれで、もう何年も楽しんでいるのに記事にしなかったのは、万が一手に入れづらくなってしまったら悲しいからである。
ピオーネが凄い
掌に乗せるとその重さにまず驚く。 青々とした力強い蔓の太さは大切に育てられた事を物語る。 かなり大粒で、口に含めばジュースがあふれてき、大胆な甘さと皮の渋味がおりなすハーモニーをただ目を閉じてじっと味わうだけなのである。
広島に住む食にうるさい友人に自慢したら「なに、ウチの近所で作っているピオーネが日本一じゃきぃ」と譲らないので送ってみたら「マイッタ」と返事が来た。
シャインマスカットが凄い
まずはその、美しいヒスイ色に見とれてしまう。 かじれば繊細な甘さにはじける薄い皮はどこまでも上品で甘く、人工ではこの味は生み出せないなとうなずき続けてしまうのだ。
どちらが好みなのか、両者をしばし食べ比べてみたところ、個人的にはピオーネのドッシリした感じが気に入った。 例えるならばこちらは鰤。
一方シャインマスカットは、うちの子全員「こっちが好き」だと断言した。 いわば平政という所か。
一度口にしたら、初秋が待ち遠しくなる事うけあいの愛しい葡萄達なのだ。