大事はすぐ近くに…
気分転換に、いつもより少し早く仕事を切り上げて買い出しを済ませ、ゆったり夕食の準備を始めた。
温かいものが嬉しい季節なのでカツオダシを効かせたそうめんと、子供達の好きな肉団子をこしらえる事にした。
まずは揚げ物を済ませておこうと団子を油に落とした。 冷蔵庫を漁ると、とり貯めておいた鶏皮が見つかったので、魚焼きグリルで焼く事にした。
ここで仕事の電話が入った。
ちょっとした、いやけっこう面倒なトラブルで、調理中なのも忘れて話に没頭してしまう。
突如異様な匂いが鼻についた。 そしてその瞬間、一目散にキッチンへと走った。
もうもうとした黒煙が充満している。 コンロを見れば、グリルから火柱が上がっている。 炎のすぐそばには油が大量に入った鍋が。
顔から血の気が引くのがわかった。
まずグリルを引き抜いたら、一層炎は燃え上がった。 相手は鶏皮だ、脂十分である。
とにかく流しにグリルを置いて、すぐさま水をかけた。 すると火は消えた、かと思いきや、水を直に当てているというのになかなか火は収まらなかった。
鎮火まで10秒ほどが必要だったろうか。
一息ついてキッチンを見渡せば、天井にはうっすらススがついている。 油の鍋に浮かぶ団子は揚げすぎだ。
万が一、炎が油に移っていたとしたら……大参事待ったなしの状況を生み出してしまった頃を痛く反省した。
これだから、たとえ仕事の電話だとしても「今日はおしまい」と決めたのならば、決して出るベキではないのだ。
そして一家に一基はぜひ消火器が必要だと悟り、早速アマゾンにてポチしたのだった。
魚焼きグリルを、鶏皮を、調理をあなどってはダメ、ぜったい。