長崎大水害:当時の記憶をたどる
今日7月23日は、長崎大水害が起きてから36年目の夏である。
水害の記憶はとうにここへ書いたつもりだったが、検索してみてもヒットしないので勘違いだったのだろう。 そこで早速経験者としての回想録を置く事にする。
当時まだ小学生だった私は、降り続ける雨を家のベランダから眺めていたものの、それほど大きな被害を及ぼす事となる雨足だとは感じる事ができなかった。
たぶんこれよりも猛烈な降り方を、その短い人生経験の中で体験していたからそう思ったのだろう。 その頃は、瞬間的な雨量よりも、降り続ける事によりじりじり積算されてゆく雨量の恐ろしさを知るワケもなかった。
日が暮れる頃になると、テレビでニュースを見ていた大人達がザワつきはじめたので「もしかしておおごとなのか」と思いはじめた。
被害の大きさを知ったのは翌朝の事だった。
近所の駐車場が池になっている。 マンションの地下に置かれたこの駐車場は普段何かと遊びに重宝していたのでショックを受けた。 冗談ではなくなぜかそこでカメが泳いでいたのを鮮烈に記憶している。
なじみ深い浜の町アーケードには、洪水に流されてきたガレキが散乱していた。 今でも当時の増水した水位が町の各地に記されているから観光の際には見ていただけるとその猛威がよくわかる。
たくましい事に、水害にあったおもちゃを露店で売っている商人がチラホラ見受けられた。 泥まみれのロボットの中には欲しいモノもいくつか見えたが物欲しげな顔をしていると親父にこっぴどく叱られた。
記憶はここでプツリと切れている。
成長してからこの当時の話をクラスメイトや同僚とする機会もあったが皆、それぞれの居住地での被害をよく覚えており、それを聞けば私自身が受けたダメージはそう酷いものではなかった事が理解できはした。
毎年この日に追記して行きたい。