CMった
CMるに書いた通り、いざ撮影に行ってきた。
受け持ったのは4品の調理。 まず一番手っ取り早そうな汁物から着手することにした。 それにしてもCMの撮影は今回が初めてなので得るものが大きかった。 料理はまず照明とカメラチェック用のダミーをこしらえて、それから本番用のものを別に作るという流れ。
丸い汁物椀へ、四角い材料をいかに盛り付けるか?
これが予想に反して難易度が高く、イメージ通りに盛る事ができない。 あわよくば、椀の径がもうひとまわり大きければすんなり体よく収まるのかな、とも思ったが、こちらにそんな選択権はない。 用いる食器すべてを、何日も前からスタッフさんが血眼になって探し出してきてくれたものなのだ。
しみじみ照明の奥深さよ。
照明担当の、まさに職人を絵に描いたような方がおり、氏の「ヒカリ」に対するこだわりを間近で見る事ができたのは有難かった。 二名の助手さんがついており、モニターを見ながらコッチから、アッチへと光量や向きを調整する。 その阿吽の呼吸は上司と部下ではなくもはや師弟であった。
二品目の鍋物は、平皿へ素材を綺麗に並べていたところ、チェック段階で監督から「モノがわかりにくい」という指摘が入り「なるほど!」と修正して事なきを得た。 普段写真を撮る際も陥りがちな事なので、つい勉強になった。
三品目、四品目はとくにこれといって迷うところがなく順調に撮影は進んだ。
プロデューサーさんは大局を見ながら皆が滞りなく仕事を全うできるようさりげなく、細部までサポートされておられた。
というように初CM撮影を終えたのだ。
収録を終えた今後悔しているのは、洗い物を大量に残したままスタジオを後にした事。 普段からの食器洗いが身に染みているからこそ、そのまま放置してしまった事が大変心苦しい。