鳴門の灰干しワカメ

以前灰干しを作った際、灰を集めるのに苦労した事があった。
この間その話を、灰干しわかめを購入した際店の人へ伝えたところ、思わぬ答えが来て驚いた。
こちらが灰干しに用いている灰は、どこから入手しているのかといえば、繊維会社が活性炭を作る際に出る灰を用いているのだという。 なるほどその手が。
灰干ワカメはかさばらないし、保存が効くしで重宝している。 たとえば灰干し3グラムを、水に5分浸しておけば、45グラムのワカメとなる。 10倍以上に戻るワケだ。

戻したワカメは各種調理に用いるが、この鳴門産ワカメの一番旨い食べかたと言ったら、戻したてを刺身で行くのが一番である。 薄いワカメだが、噛めばかすかに芯が固い、アル・デンテ的に戻すとめっぽう肴になり健康的でもあるかと。

茎わかめも旨い。
こちらは戻すのに4時間ばかりかかるが、その価値は十分にある。 戻したてのプルンとした歯ざわりはクセになるほどで、甘辛く煮付けてしまうのは実に勿体なく感じ、ぶつ切りにして辛子ポン酢でつまんでいる近頃お気に入りのアテなのである。
