店の味
ポテサラ愛好家である私は、品書きに「ポテトサラダ」の文字を見れば注文せざるを得ません。 ポテサラにはその店の色がアリアリと醸し出されるからであります。
えー、この店のポテトサラダは「アンチョビ入ポテトサラダ」と銘打たれておりまして、そうですね、名前を聞くだけでえー、大体どのようなものが出されるのかは想像のつく種類のものだというのはまず確実かと思案していたところ、やけに早く現物が出されましてね。
やはりイメージ通りの姿をしておるワケです。 黒胡椒が沢山かかっていそうな所を目がけて箸を伸ばし、口にヒョイと入れましたところ、やはり想像通りの味がしましてね、
となるハズだったのですがそうじゃなかったんですコチラ。 えー、そうですね。 この味はまず、アンチョビはペーストを用いております。 ポテトの色が暗んでおり、アンチョビの「ビ」の字も見えぬほど完全に同化しているところからして、まずそうであります。
そして名前の割にはアンチョビの「チョ」ほども感じられぬアンチョビのか弱い風味からして、これはペーストを用いていると考えてまず間違いございません。
そしてえー、何の味ですかねこれ。 名前に出ていない食材の味が、非常に強く出ておりますコチラ。 何の味ですかね・・・おや。
これはひょっとしたら、コーンポタージュの素ではありませんかね。 もう一口頂いてみますね。 うーんこれは間違いなく、市販の粉末コーンポタージュの素を練りこんでおりますねコレ。
つまるところこちらのポテサラは、アンチョビ入ポテサラというよりもむしろ、もっとこう俗っぽさのあふれる、100グラム10円で量り売りされている惣菜的なポテサラと表現したほうが実物に近く存じます。
初めはだいぶガッカリしながら渋々つまんでおりましたところ、これが次第にこの店のウリであります純米生原酒的品揃えの酒々と相性が良いような気がしてまいりますから不思議です。
ポテサラ愛好家でありますから、家に帰って即味の再現を試みました。 よくマッシュしたポテトにアンチョビペーストをたらし、ポタージュの素を振りかけてよく合わせます。 塩、胡椒で味を調整します。
味見してみると、思惑通りそのままお店の味になりました。 ところで先ず早速これで一杯始めましたところ、ちっとも美味しくありません。 味が強すぎて舌に残り、酒どころではないのです。
このポテサラに限らず、お店の味は、お店で楽しんだほうがよろしいという話でした。
アンチョビ入りポテサラ。聞いた感じはおいしそうですね。
ちょうどアンチョビをオリーブと刻んでペーストにしたのが
残ってて、しょっぱいな~と思っていたところなので
塩味調節にポテト使ってみます^^