姫神
北海道の友人から送られてきたのは林檎だった。
箱を開けば甘酸っぱい香りがホワンを顔を覆う。 姫神(ひめかみ)、という品種らしい。
縦半分にしたところで目を見張るのは、蜜の入り様。 中心から放射状にビチッと蜜の黄金色が入っており、まずこんな光景を見たことがない。
かじりつけば甘酸っぱく、それからほのかに甘味が広がりはじめ、食感はなんていうかこう、固く締まった林檎の木から、もぎたてにそのままかぶりついているかのような軽さがある。
「ふじ」と「紅玉」を掛け合わせて生まれたのが姫神。 果実王国、北海道余市郡で安芸槙一氏が永田農法(ながたのうほう)により生み出したものだ。 林檎に対する概念を、大きく変えさせられた。