石の・・・
次男を保育園に迎えに行くと、部屋の前でリュックを背負い、仁王立ちして待たれていた。 おや、右足に包帯をグルグル巻いている。 今回は何をしでかしたのか。 ワケを聞けば「おにぎりが落ちてきた」という。 おにぎりを足に落としてケガを? どういうこと?
首をかしげているところへ先生がやってきて、事情を説明してくれた。
磯遊びに出かけた際、皆で「おにぎりに似た石」を探すことになった。 そこで次男は頑張っておにぎり型の石を探しだしたが、ケンカ友達であるT郎君が見つけた石のほうがよりおにぎりに似ていて、しかも大きかったのだとか(この二人、事あるごとに張り合う)。 そこで火がついた次男はせっかく見つけたおにぎり石を投げ出し、再び石探しに出かけたらしい。
そして苦労の末、大きく、おにぎりの形をした石を見つけた。
見つけ出した瞬間「勝った!」と思ったのだろう。 「先生、見つけたよ!」とその石を頭上にかかげようとしたのだが、重くて足の上に落っことしてしまったのだ。
幸い直撃は免れ、足の脇をかすめた程度だったのだが、少しチマメができたらしい。 念のために湿布をして、包帯で巻いているとのことだった。
「よく頑張った、感動した!じゃあ帰ろうか」と次男に声をかけると、すかさず彼はリュックを下ろしてジッパーを開き、危なっかしい手つきでその石を取り出した。
三角おむすびのような形をした、石ころと呼ぶには少々大きすぎる石だ。 一辺の長さは20センチを超え、重さは2キロ以上ある。
両手でかかえ、「どうだ!」と言わんばかりにこちらを見上げるその顔は、まぶしかった。
これはまさにおにぎり。すばらしい!
ところで具は何かな?