岩々
長崎市には「サバクサラカシイワ」という呪文が伝えられている。 これを唱えると皆ハッピーになれるという効果があるといわれている。 真っ赤なうそである。
「サバクサラカシイワ」は「鯖くさらかし岩」のこと。 鯖くさらかし岩と言われても知らない人には何のこっちゃサッパリわからんが、こんな形をした岩が、長崎の時津町にあるのだ。
昔、魚屋が鯖をかついで岩の下を通りがかった時、岩が今にも落ちてきそうなので、落ちてから通ることにした。
「おとろしかぁー、おっちゃげてから行こたい(怖っ、落ちてから行こう)」
じっと待っていたが岩は落ちて来ず、鯖は腐ってしまったとさ、という話からこの名がついたと言われている。
子供の頃からこの岩を知っているが、ぶっちゃげ、つながっているのだろうかいないのか。 現在岩は山の中に佇んでいるので怖くないが、道の真横にこの岩がそびえていたらそりゃ恐ろしいと思う。 たしかに「ゴロッ」と上の玉が落ちてきそうな気がするので迂回すると思う。
世界に目を向けると、恐ろしい岩はあちこちにある。
アメリカはユタ州のゴブリン・バレーは雨風により削られた岩が、三人のゴブリンが並んで立っているように見える。 人の手によるのもだとしか思えないような形をしている。
アメリカ、ワイオミング州にはデビルズ・タワーという350メートルの高さをほこる「シロナガスクジラのヒゲ」のような縞のついた岩がある。
中国桂林にはまるで山水画を切り取ったかのような美しい景色が広がっている。 これをカルスト地形という。
オーストラリアのエアーズ・ロックはご存知の通り。 同じくオーストラリアのデビルズ・マーブルはすごいぞ。 自然にできたものではない、かといって人が作れるわけでもない、これはきっと、デビルの所業だ!という形の岩。
ベネズエラ、ガイアナ、ブラジルの国境にはテーブルマウンテンという、まるで超厚切りのヒレステーキのように頂上が平らで垂直に切り立った山がそびえている。
どの岩もグーグルの画像検索で見れると思うので是非どうぞ。
最近見かけた面白い岩がこれ。 南島原付近で遭遇したもの。 はじめ、しもぶくれの人がのばしたニットキャップを目深にかぶり左を向いているように見えていたが、見つめていると、小顔で目鼻立ちのハッキリとした女性がターバン風の帽子をかぶっているようにも見えてきた。