緊急用のイカ
冷凍庫にアイスを取りに走った次男が好みのアイス片手に「これなん?」と持ってきたのは、イカだった。
緊急用に冷凍しているもので、つまみが何も無いときに、解凍して食べる用。 たしかこれは水イカだと思う。
そう彼に説明し、冷凍庫の中に戻すようお願いしたがイカに反応してしまったらしく「イカ、どうやって食べると?」と興味津々。 仕方がないから解凍し、調理してみせることにした。
流水で解凍し、水気をふいてから薄膜をはがす。 それを細切りにしてゆくが、身が厚いためにさほど細くならない。 「ほれ、こうやって刺身で食べるとさ。 わさびと醤油でね」
調理するところを見物して気がすんだのだろう、次男は去っていった。
今日はたんまりつまみがあって、イカには用事なかったのに、一品増えてしまったもったいない。 しょうがないからつまみはじめると、これがまた旨いんだよなあ水イカ刺し。
酒が回ってきたところで味に変化が欲しくなって、卵黄をからめた。 まったりとしたイカにまったり味が加わり、えも言われぬ濃厚さになった。 口に入れると濃すぎてすぐ酒が欲しくなる。 口がきれいになると、また濃厚さを味わいたくて箸が伸び・・・を延々と無くなるまで繰り返すことになる魅惑の皿である。
