大蒜の揚げたの
揚げたニンニクさえあれば、もうただそれだけで、何杯でも飲めるという人と一緒に飲んだ。
居酒屋に入るやいなや、彼はいつものニンニクを2皿注文した。 しばらくし、ニンニク一束分をほぐして皮をむいたものが胡麻油に浮かんで運ばれてきた。
彼はなれた手つきでニンニクを器ごと七輪の中央に配置し、箸でつつきながら揚げはじめた。
会話を楽しみながら箸で満遍なくつつき回すことおよそ15分、ニンニクは黄金色にきらめいた。 揚げた当人は一粒つまみ上げ、2度かるく振ってから口に放り入れた。
アツアツなためしっかり噛むことができず、ハフハフしながら「アマガミ」するように口を動かしている。 もちろんこの間は会話をすることができない。
ようやく飲み込めたところで「ちょっと揚げすぎたなこりゃ」とのコメント。 とりあえずオイもつまんでみるとしよう。
ニンニクの表面は黄金色でカラリと揚がっているが、噛むと中心部はホクッとしていて独特の香りが広がる。 まさに胡麻油はベストチョイスだろう。 こりゃあ、明日は臭うこと必至だが、たしかに飲める。
たちまち2人で1皿を空け、すぐさま次を七輪に乗せる。 今度は揚げ時間を少し短めにするとのこと。
今度のニンニクは黄金色ではなく、まだ白々としていた。 でも箸でつまみ上げるとほんのり柔らかくなっていて芯まで火が通っていることは間違いない。 口に入れるとまるでふかしたての芋をかじったときのように蒸気が口中に漂った。 これはこれでベストな揚げ加減である。
さすが頻繁につまんでいるだけのことはある。 その後オイは別のつまみを注文しはじめたが、彼は本当に揚げニンニク一本で延々と飲んでいた。 それがあまりにも美味しそうにつまむものだから、見ていてつい箸が伸びた。 もしかすると、5皿ぐらいは食ってしまったのかもしれん。
「臭っ!」帰宅した瞬間カミさんは吠えた。 次の日、そしてその次の日も、周囲から臭い臭いとけむたがられた。 そう言われても構わないのなら、揚げニンニクはよい酒肴である。
こうして書いているうちにまた今晩あたりつまみたくなってくるかもしれん。 七輪に火をおこし、ニンニクが色づいていく過程を眺めながら飲む行為自体が酒のサカナになるんだよなあ。
これおいしいですよね。
うちの田舎では皮付きのままばらさないままごま油に入れ、焼肉の網の端っこでほっといたのち、食べたりします。
ついつい食べすぎちゃうので、家族巻き込んで食べたほうが良いですよね。
なるほど皮付のままですね、是非家族共共やってみます。