遅刻はカンベン
「はぁ!?遅刻!!」
目を覚ましてみるともう7時前。 家族6人皆寝坊してしまった状態。 「ヤッバ!」
保育園組はまだしも、このままでは長男は小学校に遅刻してしまう。 ああこの一年、無遅刻無欠席だったのにどうしてまた今日は寝坊を・・・近頃目覚ましが鳴った瞬間に長男がいち早く反応し、止めているからなのかもしれない(そしてそのまま寝る)。 いやしかしこんな日も珍しい。
さておき長男を揺さぶりおこし、かかえてテーブルまで連れて行き、座らせて牛乳を飲ませる。 急いでパンを焼き、バターを塗りたくる。 卵を炒ってパンの上に盛り、はさんで口に突っ込んだ。 さあ、急げ急げ!
本人何のこっちゃよくわからん、というようにまだ目が完全に覚めていない様子だが、とにかく歯を磨かせ、顔を洗わせ、まるでF1のピットインのような慌しさで着替えを済ませた。
このままでは走っても間に合わない。 車で送る。 さあ、乗れ乗れ! 何故だかわからんがドサクサにまぎれて娘も同乗してきた。
「しっかりつかまっとけよ」と、どっかで聞いたことのあるセリフが勝手に出てきた。 そして筋斗雲のように飛んでいった。
小学校まであと半分というところで、それまでボーッとしてた息子が「あ、今日折り紙使うんだったっけ」とつぶやく。 「なぁーにぃ? 今頃言うなよ、家に折り紙沢山あるだろうがマジでもうさ!」
車の物入れをまさぐると小銭が330円でてきた。 折り紙ぐらい買えるだろう。 学校の手前に小店があるからそこで買えばよかろう。
「さあ、急いで買ってこい!」店の前で止まり、車から息子は飛び出していった。
息子が勢いよく店に突入すると、すぐにいつものおばちゃんがでてきた。 「あらいらっしゃい」
さあ、早く折り紙を買って戻って来い。
・・・
あれ?
・・・・・・
おいおい!なんじゃこりゃ。
小銭を握り締めたまま仁王立ちする全身黄色尽くめのわが息子。 電池切れしたかのように微動だにせず。
息子が振り返った。 その顔にはまるで「まる子」のように、黒い縦線が山ほど入っていた。 何故このタイミングでガーンなんだ? その顔から察するに、もしやおまえ、まさか買うものを・・・
と次の瞬間、後ろに座っていた娘が車のドアを開けて叫んだ。
「折り紙やろー!!」
ビクッと反応した息子は即おばちゃんに「折り紙ください!」と元気良く伝えた。 折り紙を手に走って息子は帰ってきたが、しばらくハンドルに頭を突っ伏したまま動けなかった。 そこでトンでしまうものなのかなあ。
息子はギリギリ間に合い、教室へ走っていった。
帰ってすぐに、娘は自分の兄がさっきどんな状況だったのかを一部始終、丁寧に詳しく、少し色をつけながらカミさんに話していた。
最高!!!!!
子供って本当に面白いですよね。。。。
うちの長男がそんな感じでした。今じゃもう20才にもなってしまいましたけれど。。。。。
ホント面白いです。 そんな長男が大好きです。