フルーツゼリーの食い方
オイよりも年上の男だったんだけど、普段はカッコつけてなんだか 男前のコトばっかり言うような男だった。 言わば、硬派ぽかった。
オイと友人にその男という3人でお好み焼き屋に入り、自分らで焼いて 食べるんだけど、遅せーの、お好み焼き作るのが。 オイたちが グチャグチャってまぜて鉄板に広げて焼いて、恥っこから割り箸でガブガブ 食って、もうすでに半分は食い終えようとしているのに、 まだコテ使って切ってやんの。 お好み焼きを。
またそのお好み焼きの切り方っていうのがキッチリ3cm四方の正方形で、碁盤の目になっており、 かなり集中して作業している。 お好み焼き以外は目にも入らず、一心不乱にお好み焼きを正方形に切る男。 それがね、非常に腹が立ってしょうがなかった。 オイらは、サッサと食い終えて、その男を置いて帰ったのはいうまでもなかね。 イイから食えと。
いやいやフルーツゼリーの話やった。 最近の息子のお気に入りはフルーツゼリー。 この前も書いたけど、食後の楽しみとして、毎日食べている。 「ゼーリ、ゼーリちょうだい。」とか言っちゃって。 その食い方がね、少し変わってて、まずフルーツゼリーのフルーツだけほじって一個一個食べてしまう。 そして、ただのグチャグチャのゼリーになったものを、まるでラーメン食った後のスープを飲み干す時のように、ゼリーのカップを両手で小さく抱えて、「ジュコジュコジュー」と吸い込むのであります。
横で酒飲んでいるオイが、毎日その様を凝視して変わってんなーコイツと思っているのも知らずに、ここんところ毎日同じその食い方で、フルーツゼリーを食べるというかススル息子であります。 しかしその食い方いつ発明したんだろう。