ニンニク皮むき器
包丁、まな板、オタマ等、基本的な調理道具以外は極力使用しないように心がけている。 買えばどんどん増えて、キリがない。 そう毎日使うものでもないし、あまりいい仕事をしないからだ。
しかし、このニンニク皮むき器は今までのキッチンアイテムとはレベルが違う。 すごく便利なのだ。
およそ半年前ぐらいからホームセンターで売られているのを知っていて、気にはなっていたのだが買わずにいた。 なぜならば、くだらなそうだからだ。 白くて薄っぺらいゴムホースを切っただけのようなこの姿を信用できなかったからだ。 こんなヘナチョコに、あの強情な、ニンニクの皮をむくことができるわけがない。 こんなもん、500円ちょっと出して買って、家に帰りさっそく使用してみて、やっぱり使えずに金輪際永遠にキッチンの引き出しの奥にしまわれるか、もしくは絶叫しながら窓からおもいきり投げ捨てられるのがオチだ、なんて思っていた。
それでも半年間もずっと頭から離れなかったのは、ニンニクの皮をむくのがとても面倒だからだ。 なにかと便利なために常備しているニンニクの醤漬けを作るには、一度に山のようなニンニクを用意して、それをバラし、ひとつひとつチマチマと爪を立てて皮をむかねばならない。 割合簡単にむけるものもあれば、いくらやってもむけないものもある。 どっちにしろ指がだんだんと疲れてくることは確かで、あげくの果てには深爪状態になりヒリヒリしたりもする。
この問題を一気に解決してくれるのが、この白いシリコンゴムの菅なのだ。 バラしたニンニクのヘタを切り、ゴム管に入れるそして手のひらで若干圧をかけながらコロコロと転がすと「ワキャ」とキレイに皮がむける。 ツルリとしたニンニクがゴム管から出てくる。 この光景をはじめて目の当たりにした時はおもわずマジで「おおぉー」と感嘆の声をあげてしまった。 あまりにも効率的でかつ作業が早いのだ。
次々にニンニクの粒を入れてコロコロやる。 おもしろいように皮がむける。 いっぺんに3粒入れて強引にコロコロやってもむける。 ヘタをとらずにそのまま入れてコロコロやってもきれいにむける。 興奮せざるを得ない。
しかしこのニンニクむき器にはたったひとつ弱点があり、そうなるとまったく機能できなくなる。 それは水だ。 ゴム管の内部に水分があると、うまく摩擦力が生み出されずに、皮がむけない。 コロコロやりすぎてニンニクを潰してしまい、ニンニクの汁が内部に漏れてもそうなる。 なのでゴム管の内部は常に乾燥状態でなければならない。 ぬれていると、腹が立つほど皮がむけない。
その点さえ注意しておけば、これほど便利な道具はないと思われる。