結び
食べんでしょうが普段じぶんで作ったオニギリは。
人が握ったとならまだしも、自分でしたとは食べんでしょうが。
こないだね、小腹の空いたけんがラーメンば炊いて食べようと思うたらさ、なかとやもん、うまかっちゃんの。
だけんが食パンでも焼いて食べようだいて思えば無かとやもんパンも。
しょんなかけん、自分でおにぎりば握って食べたとさ。
いつも子供たちに作ってやるごとね、塩ばつまんで手のひらにこすりつけてさ、ご飯ばひとつかみしてエッチラオッチラ綺麗な三角形に握ったったい。 そしてそいに海苔ば巻いてガブーってやったらさ、
なーんの辛かとやもん。
塩ばつけすぎとるとやもん。
なんね、オイはね、自分では塩はほんのチットしか使うとらんつもりやったと。 だって手に塩ばはたいたらパラパラある程度落としてから握るけんね。
今まで ずっと薄塩でおにぎりば作りよるつもりやったとさ体に良かごと。 そいがなんね、いざじぶんで喰えば、辛かとやもん塩の。
もうア然としたね。 なんか胃のキューッってなってさ、茶棚からおやつの濡れせんべいば引っ張り出して二枚かじったね、悲しくて。
どうしてさ、今までウチの子どもたちは、こんがん塩辛かおにぎりば「おいしかー、おいしかー!」って文句も言わずガマンして食べてくれよったという事たい。
そいば考えたらもう「すまんかった」ていう気持ちと「ありがとう」ていう感謝の入りまじってきてさ、おにぎりば全部食べてしもうたあと泣いたとよ、ひとりで。