バクチカー

ハツボンサンだったウチは墓でバンバン爆竹を鳴らした。
熟練の手業で爆竹を連ならせ、バンバンというよりもドカドン鳴らすおじさんたちの横で、次男は初めての爆竹を体験。
「ヤビヤ」に関しては昨年デビューしており、今年のお盆にはヤビヤーに次いでバクチカーにもなりたいと意気込んでいたのだった。
手に爆竹を持ち、導火線に火をつけてからポイポイ投げる兄ちゃんたちをよそに、自分もそこからはじめてみようと張り切ったが、1まずは爆竹をひとつずつ地面に置いてから 2導火線に火をつけ 3サッとその場を離れる。
という基本から着手したところ難なくクリア。 次いで、手に持った爆竹に火をつけてポイに挑戦。
イメージはもうできあがっており、1左手に爆竹を持ち 2右手に持った蚊取り線香で火をつけ 3ジリジリ短くなっていく導火線の頃合いをみてポイ。
という流れだったのだが、次男は導火線に火をつけた爆竹を 1右手の蚊取り線香を地面に置いて 2左手から右手に爆竹を持ち替え 3ポイ。
という手順で投げた。 投げるタイミングが遅れた爆竹は投げた瞬間空中で鳴り、一同耳がキーンと鳴った。 当人も目をシロクロさせていたが楽しさのほうがもちろん勝る。 その表情はまさに「快感」。
右利きなのにはじめ左手で爆竹を持ったのがいけなかったと気づいた次男は、すぐ手順を修正し、バンバン遅くまで楽しんでいた。 お盆休みが終わるのを待ち望んでいたのは、園の先生に「バクチク自分でやれたぜ!」と報告したいからだった。