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2011/04/18 雑記

伊王島

むかーし親父に連れられて伊王島に行ったことがあった。

船着場に着くと、親父の友人が出迎えてくれた。 その方の家まで歩いたのだがその道中、行き交う人々が皆知り合いであり、声をかけてくることに驚いた。 「もしかしてこの人は何かしらの有名人なのではなかろうか」と見上げつつ顔をしげしげと眺めたことをよく憶えている。

真っ青な海である。 そそくさと海パンに着替えたまではよかったが、慣れない岩場に立たされ、四方を囲む海原のスケールに圧倒され、たたずむばかりで飛び込むことができない。

もじもぞしている傍らで、突如友人氏は自分の娘を抱えて、海の中にぽーんと放り投げた。 「このおっさん、なんちゅうことを!」と思いきや、放り投げられたほうはなんのその、「ギャアキャア」いいながら喜んでいる。 いつもこうやって遊んでいるのだろう。

その光景を見て、ようやく海に飛ぶことができた。 忘れられない素敵な一日だった。

今年の三月末、伊王島に橋ができた。 この伊王島大橋により、船に乗らずとも伊王島に行けるようになったのだ。 それでは早速、あの日以来二十数年ぶりに伊王島に上陸してみよう。 新学期前の長男長女をお供に連れていざ出発。

香焼から橋に乗り、1、2分も走ればもう伊王島。 こんなに近い島だったんだ。 駐車場への案内看板が道なりに立てられており、誘導されるがまま島内を一直線に進むと、広い駐車場に着く。

伊王島大橋開通により観光体制も強化されている様子。 隣接の案内所でパンフレットをいくつか入手した。 地図を見ると、どうやらこの付近はもう島の大分深いところになるようだ。 町を散策してみようかとも思ったが、灯台からの景色を子供たちに見せてやりたかったので、伊王島の最西端に位置する伊王島燈台を目指すことにした。

坂道が続くので電動自転車をレンタルしたいところだったが、長女がまだ自転車に乗れないので歩くことになった。

伊王島海水浴場

途中、海水浴場があった。 まさにマリンブルーでありキメの細かい砂浜が広がっている。

シーズンではないので人はまばらだが、夏は賑わうぞここ。 遠浅な様子なので、子供づれにもいい感じ。

夏にまたお世話になります。

砂浜には風の力で波模様が描かれている。 手で触っているだけでは飽き足らず、ついに靴を脱いで素足で走り回る子供たち。 それにつられて自分も靴を脱いでしまったオイ。 このままでは白熱して波打ち際でバジャボジャやりだしそうな気配がしてきたので「とりあえず目標は燈台だから」ということでテンションを戻した。

長男は、次男へのお土産にするといい、空いたペットボトルを探し出してきて中に砂を詰めた。

砂浜の波模様

海水浴場からずっと坂道を登り続ける。 思っていた以上に遠いもんだと一同少し心が折れそうになる。 時折電動自転車にまたがったおばさんたちに追い抜かれてゆく。 そしてその事がよりいっそう長女のやる気をそいでいった。

このままではブツブツ文句を言いはじめるので、三人でナゾナゾ合戦をやりながら歩くことにした。 困ったときは、いつもこれだ。

伊王島の桜

桜が満開だった。 咲き誇る桜は燈台に着くまで途切れることなく、歩きながら花見をしているようなものだった。

風が強く少し肌寒い日だったにも関わらず、伊王島燈台についた頃には皆上着を脱ぎ、汗をぬぐうほどだった。 見晴らしのよさに疲れもブッ飛ぶ。 燈台の裏手には、旧灯台の基礎部分が残されていた。

伊王島:旧灯台の基礎部分

基礎のあちこちに、訪れた人々が刻みこんだ記念の書き込みがある。 マネをしようと石ころを探してきて刻みこもうとしたところ、なかなか骨の折れる作業だということがわかったのでやめた。

灯台から少しくだったところに展望台がある。 見渡すかぎり、海。

伊王島の展望台

展望台のすぐ近くに、県指定有形文化財である伊王島灯台旧吏員退息所がある。 中を見学できるそうだが、あいにくこの日は休館だった。 建物の隣には、古く巨大なタンクがあった。

伊王島の巨大タンク

灯台で景色を堪能した後、今度は下ってから町を散策してみようと提案したら、子供たちから大ブーイングを受けた。 町のほうはまた今度。

スナップ

伊王島の花畑

「調整中」という立看板のあった花畑。 眺めていると、水滴のついた液晶を見ているような気分になってきた。

伊王島の岩

海水浴場のハナにあった小島にある岩。 岩というか、なんだかサンゴのような手触りだった。 鍾乳石にも似ているような。

伊王島の地層

岩の裏手。 一部分だけ、質感の違う層がある。

伊王島の浜の岩

どこかで見たことのあるような綱のかかった岩。

重機の一部

沿岸でよく見かける朽ち果てた重機の一部。

伊王島の秘密基地

岩や草木に包まれた謎の扉。 「火気厳禁」とあるが、中には一体何が・・・・・・。

“伊王島” への6件のフィードバック

  1. masaru より:

    触感の異なる地層はダイアソルトの工場の島?にて見た事
    があり、画像もあります。黄土の堆積層?かも。
    メールアドレスわかれば 画像送りますよ。

  2. あきお より:

    橋つながっておれも伊王島行きましたよ。
    ホンマは香焼の安保地区のチューリップ祭りを見に行ったら伊王島まですっごい近いということなので行って来ました。
    おれも20数年ぶりに行ったんですが思ったより近場でびっくりしましたね。
    地層は海の中に沈んでた地層が一旦、隆起してまた沈降したあとに地震か火山運動かなにかで、両サイドに引っ張られた正断層ですね。
    こんな断層が伊王島で見れるなんて知らなかったです。

  3. オイ より:

    なんか地層を見ているといろんなことを想像してしまいます。 そしてその時間が好きです。 大変勉強になりました。

  4. にこにこ より:

    こんにちは。
    私も20日にはるばる東京から伊王島、行ってきました♪
    一泊のとんぼ返りでしたが。
    去年の夏は大波止から船で行きましたけど、橋が開通したっていうんで空港でレンタカー借りて。
    海の色がきれいで、やっぱり夏に行きたいところです。
    あ、もずくの件教えていただいてありがとうございました。
    今度やってみます!!

  5. オイ より:

    子供たちからのリクエストにより、今度はあえて、船で伊王島へ行ってみようと計画中です。

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