チキンラーメンの知られざるエピソード
チキンラーメンは日清食品創業者、安藤百福氏が発明した。 これはいままで幾度となく語られてきた真実である。
ではなぜ、安藤さんはチキンラーメンを開発しようと思い立ったのか? ここにあまり語られることのないエピソードがある。 チキンラーメンの原点は、南極観測隊だった。
南極大陸に観測隊派遣が決定したとき、簡単に高カロリー食を摂取できるように日清食品に依頼して作られたのが、チキンラーメンだったという。
この話は西村淳の『面白南極料理人 お料理なんでも相談室』にあったもの。 もうひとつ面白い話を。
昭和31年頃、三浦 朱門宅に邱 永漢が現れた。 邱氏はなにやら干麺を取り出して「どんぶりに入れて熱湯を注ぎ三分たってから食べてごらん」と言った。 三浦氏は言われるがまま食べてみるとこう感想を述べた。「即席としては悪くない味だが、麺にコシがなく、グンニャリとしている」
邱氏が「いくらぐらいならこれに手が出せるか」とたずねるので、三浦氏は「40円ぐらいだろう」と答えたら、邱氏はニコリと笑って去っていったそうだ。 これがチキン・ラーメンのはしりだという。
当時邱氏は、日清食品の顧問みたいなことをやっていたそうだ。 チキンラーメン開発の裏にはお金の神様、邱 永漢が一枚噛んでいたという話。 開高 健の最後の晩餐より。
今日は冷蔵庫に転がっていたうずらの卵を割り落としてチキった。