なぞ、なぞ。
お盆の帰省中、大渋滞やった。
車の動かんごとなったら騒ぎ出すとがウチの子供らで、車中で飛び回るけんがたまったもんじゃなか。 ヘタすりゃ事故につながるわけで、ここはひとつ、動的ではなく、静的な遊び方ば提案せんばいかん。 こういうときは、ナゾナゾが一番効果的さねえ。
「はい、クーイズクイズ!」て言えば即、
「なーにがクイズ」と子供たちから返ってくる。
テーマば絞らんばいかんとがナゾナゾのルールであり、
オイ:「生き物クイズ」 子:「はいどーぞ」という流れになる。
子供たちはやたらテンションの高くなっとって、
「ながーい生き物」という第一ヒントには
「ハイハイ、ヘビヘビ」 「ハイ、ゾー」 「ハイ、ワニ」とか先走りの回答ばする。
「ブー、第二ヒント」 「その動物は、白くて空ば、飛ぶとばい」
「・・・・・・」
一同絶句したとさね。
長男は、一生懸命脳内データベースで「長白い空飛ぶ生物」ば検索している様子。 長女はいまだ「答えはヘビ」と思い込んでいる様子。 次男は兄姉の顔色をうかがいながら、便乗して正解を答えようとしている様子。
「答えは・・・一反もめんでした!」
というと、長男だけが「あぁー!」て声ばあげたとけど、そのあとすぐに「そいは生き物ていうか妖怪やっか!」ていう厳しかツッコミば繰り出したとさ。
そうかもしれんばってん、「素」なナゾナゾやったらすぐに答えられてしもうて、また次の問いば作らんばいかんし、いっとき考えてもらっとうたほうが、運転する身としては楽なわけさねえ。
かなり批判ば受けたけんが、今度は少しまともなナゾナゾば・・・。
「クーイズクイズ!」
「なーにがクイズ」
「身の回りのものクイズ」
「はいどーぞ」
「第一ヒント、色んな大きさの、あるとばい」
「はい、ワニ?」と答えたのは次男。 「ブー」
「次のヒントちょうだい!」て求めとは長女。
「第二ヒント、色んな色の、あるとばい」
て言うたら、長男が手をあげた。「ハイハイッ!虹?」
なるほど、その答えも良かよね!「でもブー、不正解」
「第三ヒント、ヒモがついています」
「はい、なわとび?」といぶかしげに長女。
なるほどたしかに!でも違うとさねえ。 長男はマジになり、鼻息あらく、腕組んで考え込んでいる。
「第四ヒント、でもこれ言うとわかっちゃうんだよなあ」「いいから早く!と長男」
「それは2個で、1組ばい(あー当てられちゃう)」
「たこやき!」と叫んだのは長男。
「たこやき?何故?」
「だってさあ、赤とか緑とかの入っとって、2個をいっぺんに刺して食べたりするよねえ!」と鼻息荒い。
「でもヒモはついていないけど」というと、くやしそうに「あー、あーもねー」と車の中で迷惑にも地団太を踏んだ。
「答えは・・・・・・また来週!自分で考えてください!」
と、じらしたときの子供たちの憤慨ぶりてきたら、「討論番組にでもでてみたらどがんね?」というほどの派手さであり、押されてしまう勢いがあった。 これでは答えざるを得ない。 答えは・・・・・・
「スニーカーでした!残念!」
しかし、「ヒモの無いスニーカーもあるやっか!」という長男のツッコミにより、 この問題の再検討を余儀なくされた。
帰省先での昼下がり、冷酒ば飲みながら、帰りの道中に出題するナゾナゾば思案しよる間、子供たちは川でサワガニとりに夢中やったとさ。