栽培ガール
ほうれん草の自家栽培に着手したオイが用意しておいた培養土を勝手にあけて、植木鉢を引っ張り出し、ラディッシュの種を蒔いた娘。
それから毎日いつ芽がでるか、でるかと朝起きてすぐにベランダへ向かう毎日。 まるでアドベントカレンダーを開いているかのように楽しみにしている。 親としてはぐずらず早起きしてくれるでラディッシュ様様。
ついに芽がでてきた。
娘の喜びっぷりを察知した次男も現れて、ふたりで両手をかかげて喜んでいる。
感極まった娘は、とっさにジョウロに水をくみ、「シャワー」と芽にかけはじめた。 となりの次男もそれをやりたいワケで、次いで「シャワー」と水をあげた。 あまり水をあげるのもよくないんじゃなかろうか。 梅雨だし。
保育園から帰っても真っ先にラディッシュのもとへ。 「あっ、ちょっと大きくなってる」とか「となりからもラディッシュが生えてきた!」と興奮状態。 何日かすると、植木鉢全体からモッサァーとラディッシュの芽がでてきたものだから娘の喜びようといったらもう書き表せない。
娘と次男、ふたりがラディッシュの前にしゃがみ、水をあげたあとに早く大きくなれ!と願っている様子はサツキとメイを彷彿とさせる。
「大きくなったらね、よく洗ってからマヨネーズで食べると美味しいんだよ!」と娘が教えてくれた。 保育園でも栽培しているそうだ。 「うんとね、ラディッシュいっぱい出てきたから、名前をつけたいと思うんだよね。 何がいいとおもう?」というのでとっさに「ムネオ!」と答えたら却下された。
その後いくつか名前を挙げてみたが、全部却下された。 結局、人に聞いてはみるものの、自分が考えた名前しか絶対につけないところが娘らしいっちゃあ、娘らしい。