折り紙のボート
子供たちの夕食を準備し、心置きなく風呂に浸かり、一杯やろうとテーブルに向かうとそこは、
折り紙だらけだった。
その傍らでは、いち早く食事を済ませた長女がせっせと折り紙を量産している。
「これじゃあ座れないじゃないか」
オイの席の前には、色取り取りの「ボート」が一列に並べられていた。 初めて見たがよく折れている。 一枚一枚色を変えながら、どんどんボートを折る娘。
一体何が、彼女をここまでボートに向かわせるのだろうか。 折りながらなにやらボソボソとつぶやいているので耳を近づけると、「もんきーたーん、もんきーたーん!」と言っている。
む、どこで覚えてきたのだろうか? 考えられるとすれば、帰省した折、ずーっと競艇やってたあのオジサンから叩き込まれたんだなたぶん。 まったく余計なことを。 でも、こんなステキなボートの折り方を知っているとはなかなか大したオジサンでもある。
半分余計だけど半分ありがとう。