丹野こんにゃく
昔の禅僧は、夜ハラが減ってなにも食うものがないときに、温めた石を懐に抱いて寝たのだという。 一日の食事は2回で、しかも晩飯抜きである。 夜になると、当然ハラが減ってくる。 そこで禅僧達は、夜の空腹をまぎらわすために、温かい石を懐に抱いて眠るということを考えついた。 しかし、石を抱いて寝たところで、空腹が満たされるワケはない。 禅宗でも次第に軽い夕食を摂るようになっていき、懐に石を抱く習慣は薄れたのだが、言葉だけは残った。 それが、懐石料理である。 軽い食事である。
とまあ懐石料理にはこのような発祥があるのだそうだが、世の中には「こんにゃく懐石」というものもある。 こんにゃく尽くしである。
こんにゃく懐石というと、なんだかダイエット食みたいな印象をいけるが、そんなことはない。 ウマイ。 こんにゃく消費量全国一の山形県上山市楢下にある丹野こんにゃく番所では、多種多様なこんにゃく料理や、こんにゃくで作られた商品を販売しているのである。
とまあ知ったような口をきいたが、実際丹野こんにゃく番所に行ったことがあるわけではない。 ネットで買ったわけである。↓
http://www.yamagatabussan.com/topics/topi050301.htm
何の脈絡もなしに、ネットでコンニャクを買うわけはない。 ウワサを聞いたのである。 うまいコンニャク屋があるというウワサを。 そしてすぐさま飛びついた。
写真は山形を代表する米沢牛と、ゴボウをこんにゃくで巻いて甘辛く煮たもの。 そこそこウマイ。 こんにゃくの食感がよい。 しかし、この丹野こんにゃくで一番うまいのは、刺身こんにゃくなのだという。 でもその商品はネットで売られていないので買えない。 是非一度、刺身コンニャクを食べてみたいと思うわけであるが、山形遠いよな。 でもいってみたいな山形。
刺身こんにゃく
どーですか皆さん。 これが刺身こんにゃく。 むりやり取り寄せた。 パッケージ的には一見なんの変哲もないコンニャクのようにも思えるが、いざよく冷やしたその刺身コンニャクをパッケージから取り出してみると、オイがよく知るコンニャクよりも、プルルンとしている。
そのプルルンとした刺身コンニャクを、刺身包丁を使って切るわけであるが、魚を切るよりも難しかった。
このコンニャクは刺身であるわけだから、ワサビに醤油を使って食べてみると、「あれっ」味がしなかった。 でも食感は、グミのようでもあり、餅のようでもあり、のど越しがよい。 醤油はチョコットだけつけて食べたほうがよさそうだ。