醍醐味とは
醍醐味とはなんであるか? ちょっと広辞苑で調べてみた。
【醍醐味とは】
- 深い味わい。 ほんとうのおもしろさ。
- 醍醐のような味。 すなわち美味をほめていう語。
うーんなるほど。 じゃ、醍醐ってなんだ?
【醍醐】
- 五味のうち最上のもの。 乳を精製して得られる最も美味なるもの。
- 仏教の最高真理にたとえる。
広辞苑 第5版より
醍醐って乳製品やったとね。 五味のうち最上か。 じゃ、五味って何? ちょっと調べてみよう。
【五味】
- 5種類の味、すなわち甘、酸、鹹、苦、辛の総称。
- 牛乳を精製する過程における5段階の味。 乳味、酪味、生酥味、熟酥味、醍醐味。
そうか。 「でもそんなもの食ったことも見たこともないぞ」ということで、醍醐作りに励んだ方がいる。 牛乳を精製してゆけば、醍醐味ができあがるハズ。
- まず乳味。 これはそのまま牛乳でしょう。
- 酪味。 サンスクリット語で書かれた涅槃経(ねはんきょう)では、 酪にあたる言葉は「ダヒ(dadhi)」。 インド料理店でだされる酸っぱいヨーグルトをダヒと呼ぶ。 だから酪とはヨーグルトのこと。
- 生酥味。 仏前にあげる火を、酥灯とも呼ぶそうだ。 酥灯は酥油を燃やしたもの。 ではその酥油とはなにか? チベットのラマ寺院では、バターを酥油に使うそうだ。 なので酥油はバター。
- 生酥味はクリーム。
- 熟酥味は固形バター。
- そして醍醐味。 これまでも沢山の人が醍醐に挑戦しては失敗してきたという。 醍醐味の作り方を書いた古い文献もあるが、その通りに作っても、皆失敗しているという。 涅槃経にでてくる醍醐にあたるサンスクリット語を、英語辞典で調べると、「溶けたバターの浮きカス」とあるそうな。 そこで、無塩バターを沢山フライパンに入れて、弱火で熱してみる。 バターは溶けて液体になり、やがて小さく泡だってくる。 よく観察すると、黄身を帯びた白いものが、表面に浮き出してくる。 火をとめても浮きカスは消えず残る。 これをすくい取り、舐めてみると、この世のものとは思えないほど甘い。 これが醍醐だ!
醍醐を作るコツは、火加減にあるらしい。 さらに「政和本草」には、「醍醐の形は餅のようだ」と書いてあるそうな。 ということで、カスである醍醐を餅のように丸める工夫をしている同氏でありました。
とまあこんな風に書かれているのを本で読んだわけ。 作り方は難しいかもしれんけど、実は大変身近なところにあった醍醐味でした。