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2008/02/03 物欲

進藤はきもの店:桐下駄

下駄に何故惹かれるのか。

夏になると、下駄を買う。 これは毎年のことではなく、2年に一度の割合だ。 五千円程度で売られている下駄をひとつ買い、それを2年がかりで履きつぶすのだ。

桐下駄

下駄をいつ履くのか? 

近所をブラブラ息子と散歩したり、コンビニへいくときに履く。 だからといって、和装をしているわけではない。 グラミチの短パンに、ヘルスニット。 その辺に転がっているキャップを適当にかぶり、何故か足元はテバやメレルのサンダルとかエスカレーターに巻き込まれたりするアレやスニーカーでもなく、下駄なのだ。

「妙だ」と言われることや「下駄ってのも最近珍しいね」と友人や近所の老人が声をかけてくることもあるが、どうあれオイ本人は快適なのだ。

具体的に下駄のどこがいいのか。

カランコロン。 やはりそれは音である。 買ったばかりの新しいうちは「カランコロン」という軽快な音をたてて歩くわけにはいかず、鼻緒がキツくて足にフィットしないし、下駄の歯もまっすぐすぎるために、どうしてもロボットのような、ハイヒールがまだよくなじんでいない人のような歩き方にならざるをえないわけだ。 それをめげずに無理して履いて、自分の足、歩き方に都合がよいように下駄をならす過程はデニムや革製品と同じ、エイジングの楽しみも、あるわけだ。

雲仙に行く途中、桐下駄という看板がみえる。 この店こそ知る人ぞ知る進藤はきもの店である。 店の主人進藤節夫氏は現代の名工に選ばれたことがあり、五十数年にわたり下駄を作り続けておられる。 知るキッカケになったのは、以前新聞かテレビでこの店の紹介を見たからだ。

進藤はきもの店

「ごめんください」店にはいると、進藤氏がにこやかな笑顔で迎えてくれる。 店の中には下駄が沢山陳列されており、どれを買ってよいのか戸惑うが、身長、体型をひとめで見定めた進藤氏が「これはどう?」とオススメしてくれる。  オイが最初に手にとったものは、機械で加工された普及品であり、オススメしてくれたほうは、進藤氏手造りなのだとか。 店内には下駄を作る作業場が設けられており、数多くのかんなやナタ?のような専用工具が整然と並べられている。

支払いをするためにレジへ向かう。 突如、息子が進藤氏に呼ばれて、座敷にあがる。 「よし、キミに下駄作りの最後の仕事をさせてあげよう」という。 どうやら下駄のカカトに「紋」を打つようだ。

突如仕事を命ぜられた息子は一瞬戸惑うが、すぐさま小さい金づちを手渡されたときにはもう、進藤氏の弟子であるかのように真横に正座してかまえた。

「いくぞ、おじちゃんがこうやってこれを抑えておくから、その上をトントンとこうやって叩くんだぞ」息子はうなずく。

「ほら、たたけ!」といわれた瞬間、金づちを勢いよく振り下ろしたが、それは進藤氏が持つ金具にはあたらずに、右手をおもいきり打ちつけてしまった!

「あいたーっ」と氏が言う。 現代の名工の手を金づちで叩いてしまったにもかかわらず、息子はケケケと笑っている……。 気を取り直して、こんどはもう少し慎重に、振り下ろす。 「カコン…」と金具の頭に金づちが当たった。 「それもういっちょ」との掛け声にまた「カコン」。 息子は要領を得たようで、割合リズミカルにコンコンと金づちをふるう。 顔をのぞくと真剣さを感じさせながらも嬉しそうにしている。

紋:下駄

進藤氏が下駄のカカトから金具をはずすと、キチンと紋が入っていた。 「おーキミはなかなかスジがいいね、じゃ、もう片方もやってみらんね」「カコンカコン…」

「息子さんは元気がありますなー。 自分の手を打ち付けても痛がらずに金づちを振るう子どもは元気のある証拠ですよハハハ。」とおっしゃる。 褒められて、少し照れる息子。 仕事をしたごほうびに、積み木でも作ってよと、下駄を作る際にでる桐の切れ端をビニール袋いっぱいに頂戴し、大興奮する。

進藤はきもの店に行くと、上質の下駄が手に入り、人の温かさを肌で感じることができ、なおかつ下駄のウンチクも聞くことができる。

  • 下駄をはいているうちに小石などが歯にめり込んでいくが、これはとってはいけない。 めり込んだ小石が、スパイク代わりになる。
  • 桐は温かい。 靴下を履いて靴を履くよりも、素足で桐に接すると温かいものだ。 なので冬だって下駄でオッケー。
  • たまにはフキンで拭いてあげると美しさを保てる。
  • 等など。

数十年もすばらしい下駄を作り続けていると、常連客も数多いらしく、オイが来る少し前にも毎年北海道から買いに来られるお坊さんが来て、二万円のを買っていかれたそうな。 そのお土産にもらった利尻昆布の説明も詳しく教えてもらった。

※下駄を買う際は、進藤はきもの店をおすすめします。 オイが買ったものは六千円チョットのもので、それより安いものもあれば、もっと高価なものもありますよ。

進藤はきもの店

  • 住所:長崎県雲仙市千々石町
  • TEL:大丸店 0957-37-2220
  • TEL:国道店 0957-37-2034

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