素直すぎる小二
長男の友人が遊びに来たとき、その仲間に混ぜてもらう事を至上の喜びとしている次男は、こないだもそうしてお兄ちゃんたちと楽しく腹いっぱい遊んでもらい、夕食時に「本日のミニドラマ」を沢山聞かせてくれました。
落とし穴を作って自分が落ちたとか、その穴へ水を並々と張ったらおじさんが走ってきて怒られた等。
それを聞いていた娘がとっさにこう次男に訊ねました。
「あのさあ、今日遊んだ兄ちゃんの友達の○○君と□□君、どっちが好き?」
しばらく石のようにだまった次男でしたがこう返事をしました。
「どっちも同じくらい好き! だって優しいもん」
続いて、よせばいいのに、娘はこう切り出しました。
「じゃあ兄ちゃんとそのお友達、どっちが好き?」
箸を止め、しばらくマシュマロみたいにホワンと天井を仰いだ次男でしたがこう返事をしました。
「兄ちゃんが好き。 だって兄ちゃんがいなかったら、その友達とも遊べないもん」
こう発した次男の、素直すぎる答えに心打たれたのが当の長男でありまして、普段ナマイキだからと、ケンカばかりしている弟の意外すぎる返事に、思わず胸が熱くなったのでしょう、
「ちょ、ちょっとお手洗い!」
としばし席をはずしたあと、丼飯二杯を平らげたのでした。
以上家族皆の心を一瞬で満たした次男でした。