次女さん
1
長女とイチャイチャしていると、家内から声がかかる。 「ちょっと!」
家内が指さす方を見れば次女がほっぺたを膨らませている。 少しうつむいているが目はギロリとこちらを見ており、憎悪の念が突き刺さる。
そういう事かと慌てて次女にも声をかけるが時遅し、スネてどこかへ行ってしまった。 こういうところが次女のすごく可愛らしいところなので、時にはわざとスネるように長女にだけ声をかけたりしている父を許してくれ。
だって大好きなんだものキミのことが。
2
次女が両手を背中に回して歩いてくる時は、何かを隠している時だ。
そしてその隠し物は、きょうだいの持ち物を勝手に持ち出していたり、あとひとつしなないお菓子だったりする。 「誰にも言わないから見せて」というと、タイミング良ければバツの悪い顔をしながら見せてくれる。
今日隠し持っていたものは、オイの電子辞書だった。 タッチペンが行方不明になっているが、まあいいや。