手袋が・・・
NIKE+にも随分慣れた。 「ああもうトータルで、フルマラソン分走ったんだ」と徐々に走行距離が伸びていくのが楽しい。
昨晩近くのグラウンドを走っていたときのこと。 照明が少しだけしかないので足元がよく見えない。 こんなことならばLEDライト持ってくるんだったなあと思っていると、目の前に手袋が二つ、落ちていた。 黒い手袋である。
「まだ手袋するほど寒くはないよな・・・」それをよけて走った。 耳にはイヤホンをつけているので、周囲の音は聞こえない。 そろそろ汗がにじみ出てくる頃だ。 少しペースを上げる。
突如背後に気配を感じた。 たまにあることだが、振り返ってみても、何かいたためしがない。 シカトするかと思いつつもつい振りかえってみると、なんと、手袋二つが、追いかけてきているではないか!
ああついに、オイも化け物を見る日が来たんだ。 こんなことならばせめて、ケータイでも持ってればよかった。 そしたら動画撮って、YOUTUBEに上げて、もうやんややんやの「世界初、追いかけてくる手袋の動画!」として絶賛を受けただろうに。
実際頭蓋骨が口から飛びだすほど驚いたが、よく目を凝らすと、手袋ではなく猫だった・・・。 しかも、たぶん生まれて間もないのだろう。 手のひらに乗るほど小さい、黒と白の入り混じった、2匹の子猫だった。
2匹は一生懸命、オイを追いかけてくる。 これはもしかして、親と思われているのではなかろうか。 それにしても、なんんでまたこんな所に・・・。
5、6メートルは追いかけてきたが、それ以上は体力が続かないのか、ピタリと立ち止まる。 そして2匹そろってこちらをずっと見つめている。
「くーっ、どうしたらいいんだろう」ここはグラウンドだから、1周すれば、また子猫の近くを通ることになる。 そしたらまた、2匹で追いかけてくるんだろうなあ。 とてもせつない。 そう考えているうちに、また子猫の前に差し掛かり、やはり、一生懸命、後を追いかけてきた。
今度はあわてているせいか、一匹にもう一匹がつまづいて、折り重なるように転んでしまった。 それでも起き上がり、追いかけてこようとする。 しかし、追いつけないことがわかると、その場にたたずんで、こちらをずっと見つめる・・・。
やるせない。
親はどうしたんだ親猫は。 こうなりゃあ、ウチにつれて帰るしかなかろう。 このままだと道路に出たりして危険だろうし。 走っているが、猫の事で頭がいっぱいになってしまった。
そして再度子猫の前に差し掛かったところ、老夫婦が、子猫たちを抱きかかえているところだった。 飼い主なのか、偶然見つけてつい抱いてしまったのかはわからんが、とにかく子猫たちの安全は確保された様子。 ほっとした。
家に帰ってから家族にこのことを伝えると、長女は「かわいいネコちゃん見てみたかった」 次男は「そして手袋はどうなったの?」 長男は「だから犬を飼おうよ」 次女は「コッコッコー(コケコッコー)」 カミさんは「とりあえずよかったね」という感想を述べた。
たぶん抱き上げていたら、離れられなくなっていただろうと思う。
いつも楽しく拝見してます。初コメです。
たぶん捨てられた子猫たちだと思います。
抱き上げていた老夫婦が、間違って保健所に連れ込まない事を願っています。
殺処分されてしまいますから。
環境が急変して、すがりつくように追いかけていたんだと思います。
野良猫の子猫なら、警戒心が強くて二匹揃って追いかける事はまず無いでしょうし。
冬に赤ちゃん猫を捨てる元飼い主のモラルはどこにあるんでしょうね。
いつもご利用いただきありがとうございます。
>たぶん捨てられた子猫たちだと思います。
やっぱりそうなんですかね・・・。 まだ生まれて間もない感じでしたので、とてもかわいそうです。
老夫婦は大事そうに抱えていたのでつれて帰るのかと思いました。 うーん・・・・・・。