雪
新聞を取りにいってびっくり、あたり一面真っ白だった。
新聞も配達できていないようだ。 この時間ならばいつもポストに突き刺さっているハズなのに。
長崎でこんなに雪が積もるのは一体何年ぶりだろうか。 ここ数年、いやそれ以上か、覚えがない。 子供の頃以来のような気がする。
当然子供たちはエキサイト。 でもこれって車動くのだろうか? スノータイヤなんて、ない。
小学校までの道のりが心配なので歩いて送っていくことにした。 ギシ、ギシ、ギシと雪を踏みしめながら歩く。 長崎でいうと、これは大雪の部類にはいるだろうと思われる中、近所のおじさんが犬を散歩させている。
「おお、オイくんおはよう、雪だねーはっは。」となんだか嬉しそうだ。 やっぱ嬉しいんだ。 犬が雪好きだって本当なんだな。 こんなに寒いのに興奮してあちこち走り回っている。
小学校につくまで雪ダルマを転がすことにした。 息子と2人でせっせと転がす。 みるみるうちに大きくなる雪の塊。 この光景どっかで見覚えが・・・あ、塊魂。
無事小学校に送り届けたが、この雪ダルマを一体どう処理すればよいのだろうか・・・。 すこし恥ずかしいが、転がしながら家に持って帰る。
10センチぐらい積もっているのではなかろうか。 ギシュ、ギシュ、ギシュとひたすら歩く。 このギシュ、ギシュがすこしクセになってきた。 子供の頃はよく雪が降ったっけ。 おやグラウンドが真っ白けっけだ。 ここから見るかぎり、まだ誰にも踏み荒らされていない様子。 少し遠回りになるが、わざわざグラウンドの雪を踏みしめに向かう。
まっさらなところに自分の足跡が残っていくのがうれしい。 何歩か歩いて後ろを振り返り、また何歩かあるいて振り返り、今度は少しジグザクに歩いてみては振り返り、当然のことながら足跡がジグザクになっているのを見てすこし喜んだりした。
きれいな足跡を作るには、ももを高く上げ、ちょっと大げさに歩かなければならないことがわかった。 もうすぐグラウンドを横断しきってしまうがせっかく足跡のコツがつかめたところ。 帰るわけにはいかん。 往復する。
きれいな足跡に満足し、記念撮影をしようとしたところで携帯が鳴った。
「あんた一体どこほっつき歩いてんの!」
ということなのでもう帰る。