カトキチ | ゴボウ天うどん

我が家の冷凍庫にはいつも欠かさずストックしてあるカトキチの冷凍うどん。 シコシコ感がバツグンによい一品である。 ダシもウマイ。 しかも近所のスーパーでは「冷凍商品本日全品4割引」なんて毎週開催するものだから、そこを狙って買いだめしているわけだ。
このようにお気に入りメーカーのひとつである加ト吉(カトキチ)も、一時大キライな時期があった。 まだ少年時代のことである。
まあデートなんかして公園あたりに行ったわけだ。 そうしてなんか食べようかということになり、でも、売店なんかがなかった。 こまっているところ、そこで見つけたのが、カトキチの商品を扱っている自動販売機。
とりあえずタコヤキとヤキソバを買ってみる。 でもけっこう高いね。 どちらも450円か。 タコヤキなんて、タコヤキ屋移動式販売店舗でいつも300円で買ってんだけどヤキソバも似たようなものだしかしジュースだって映画館や山なんかでかえば、人の足元みて値段釣り上げているしそれならばこの450円という値段もアリなのかなとか考えながらお金を入れてボタンを押す。
しばらくして「ガチャン」という音と共に、タコヤキと、ヤキソバがでてきた。 ホカホカだ。 四角い箱に入っている。 でもその箱が異常に小さいことに少々不安を感じながら、開封。 えっ?
今まで見たこともないような非常に少ない分量のヤキソバが、現れる。 なにテイクアウトだ。 マズくたっていい。 具材が少なくたっていい。 でも、こりゃいくらなんでも少なすぎだぞカトキチさんよ。 ちょっと現物をお見せできないのが非常に残念ではあるが、人生経験の少ないオイ少年でも、思わず目を疑うような非常に少ない分量のヤキソバだったのである。
当時のガールフレンドと、その異様に少ないヤキソバを、添付の非常に短い割り箸でつつきながら、少なさと、カトキチに対する不信感と、社会の大人に対するきたなさをひしひしと感じながらまさに二口でヤキソバを食べ終えたのである。
それ以来、カトキチという名前は、印象悪くオイの脳内にインプットされていた。 ともかくカトキチ製品には今後一切手をださずにこの人生を終えようとまで考えていた。 しかし、やがて一人暮らしを初めるようになり自炊を始め、といってもそんなにイロイロ作れないので外食ばっかしていたところ、付き合い始めた彼女が、毎日イロイロ食材をもってきてくれるようになった。 自炊に拍車がかかってきた。 でもお昼はうどんでカンタンに食べることが多かった。 そのうどんは元々彼女のお気に入りであった。 そのうどんこそが、カトキチの冷凍うどんだったわけである。 カトキチのイメージが好転した瞬間である。
その彼女こそ現在のヨメであり、オイに自炊の道を開いてくれた人であります。
冷凍食品
冷凍食品は20世紀はじめ、アメリカでジャム用のイチゴを凍らせて保存したのが始まりだという。 冷凍がムズカシイ食品のひとつに、卵がある。 その他豆腐やプリン、牛乳、レタスやキャベツ、ダイコンも難しい。
ちなみに食品を冷凍させるさいは、急速に冷凍することが望ましい。 ゆっくり冷凍すると、食品の細胞内に、大きな氷の塊が内外にできて、解凍時に細胞が壊れる。 一方、急速に冷凍すると、細胞内にできる氷は小さく、解凍後、ほぼ元通りの細胞となる。 ちなみに急速冷凍の目安は、「30分以内に90%以上の水分を凍らせること。」 優れた冷凍技術とは、「食材中の水をありのままに凍らせる技術である。」
-冷凍食品については、朝日新聞beサンデーより-