恐るべし殻女の巻
今日はオイが出会った恐ろしい殻女の話をします。
昨日は母の日だということで、その母を招いてささやかな宴を ひらいたのですが、その席にいたオイ母の友人の娘とやらが、 とにかく食い意地がはっているというか、食いまくるというか、 以上にがっついているわけです。
近頃オイのお気に入りである甘エビをどっさりと買いこんで、 母にも刺身で食わせてあげようと思ったところ、その殻女が一匹むしって 食うやいなや、ともかくすごい勢いでその甘エビを独占し、 手あたり次第に食いだしたではありませんか。 その食い方といえば鬼神のごとし。 こなれた手つきでむしり、 パクパク食うのなんの。 一匹口の中にほうりこむとすでにもう一匹に 手が伸びている。 まさに親のかたきに出会ったかのように 食いまくるのです。
その光景を目の前にオイらは唖然。 顔色ひとつ変えずに殻女は食いまくり、 瞬く間に甘エビはなくなりました。 まだ誰も手につけていないのに、 なんなんだコイツは。
とにかく殻女がいると、食い物が全て無くなる恐れがあると判断したオイは、なるべく早く引き取ってもらうように仕向けることにしてそれが成功。 恨まれるといけないのでおみやげを持たせるという心配り。 なんでここまでオイがしなくちゃいけないのなんて考えるとバカらしくなるのでもう殻女のことは忘れて食事をしようと思いましたが、そうはいきません。 殻女は何者であるのかをオイ母に問いたださねばなりません。
オイ母は語りだしました。 殻女は食い意地がはっているというのは見てのとおりなんですが、とにかくエビやカニ、アサリやシジミやその他もろもろ、殻がついていて、それをほじって食べる食べ物と言うのが大好物とのことでした。 ある日こんな場面に遭遇したそうです。
やっぱり宴会の席で殻女はやたらとカニをむしりながら食べていたそうです。 が、その前にカニが好物の男がいて、カニの奪い合いになったと。 そして殻女は、下品にカニをむしり食べながら、テーブル中央につまれたその他カニを監視し、カニがとうとう最後の一匹になり、カニ好き男が手を伸ばし、 触れたその瞬間、バッとすばやくそのカニを箸ではさみこみ、この最後の一匹のカニは自分の所有物であることを全面的にアピールしたそうです。
その形相たるやまさに阿修羅のごとし。 カニ男は降伏したそうです。
こんな女がいるもんです。 いやー世間は広い。 すべて実話であります。