そう、この味
日曜日、子供たちをつれて朝から水族館へ出かけた。
水族館は、大混雑だった。 それもそうだ、考えてみれば夏休み最後の日曜。 受付のお姉さんによると、今年一番の混み具合だとか。 「こりゃあ、ゆっくり見物するヒマないな・・・」
それでも水族館は楽しかった。 イルカショーや優雅に泳ぐウミガメ、「チェ・ホンマンの座布団」と勝手に命名した巨大なエイ等。 佐世保の「海きらら」へお近くの方は是非。
気がついたらもう夕方だ。 帰って夕食の準備をしなければならないが、はたしてそんな時間があるのだろうか。 メニューも決まっていないワケだし・・・弁当でも買うか。
とも一瞬考えたが、やはり自炊しないと。 そして子供たちに食べたいメニューを聞いてみた。
長男は相変わらずギョーザ!と答えたが、長女、次男がカレーライス!!ということだったので多数決でカレーになった。
牛と鶏のストックを冷凍しているので、カレーをいちから作るのにも大して時間は必要ない。 近頃トロミを片栗粉でつける「醤油ベースの和風カレー」がウチで人気だから鶏のひき肉でも買ってくかなーっと考えていたが、いざ自宅が近づくと、その体力が残っていないことに気づいた。 「やっぱ弁当にすっかなあ」
という考えが再度頭をよぎるが、なるべく手作りのご飯を子供たちに食べさせてあげたい。 かくなる上は・・・久しぶりに市販のルーを使ってカレーを作ってみようではないか。
これなら簡単。 鍋にスープを入れて、ルーを放り込み、野菜、肉をブチ込めばそれで終わりだ。 調理時間10分とみた。
「ジャワカレー」の甘口をカゴに入れた。 と、そのかたわらで、ボンカレーの箱を発見。 「ボンカレー!懐かしーっ昔よく食ったっけ」何年ぶりに再会したかもわからないほと久しぶりに見たあの箱を手に取り、しげしげと眺め、無造作に、辛口をカゴに入れてしまった。
ボンカレーの味の記憶がすっかり抜けてしまっている。 明日、こっそり一人で食べてみよう。
帰宅するやいなや、ジャワカレー作りにとりかかり、やはり10分程度で完成し、味見をした。 これがまた旨いんだなあ市販のカレールーは。
カレーはラーメンと並ぶ国民食だ。 日本人のカレーに対する想いはハンパではないために、カレールーの完成度もただ事ではない。 カレー屋さんのカレーとはタイプが違うけれど、ひとつの食べ物としておいしいんだよなあ。 手を入れるスキがない。 いや、変に入れないほうがよい。
子供たちにも大好評だった。
さてあくる日。 ボンカレーの箱を開けて、レトルトパウチを熱湯へ放りこんだ。 待つこと3分、熱々をご飯の脇に流しいれた。

「そーこれこれ、こんな感じだったよボンカレー!」
独特の形状と食感をしたジャガイモ、まったりしたトロミ。 「二郎はラーメンにあらず、二郎という食いもんなのだ!」という話をどこかで見たが、それと同じように「ボンカレーはカレーにあらず、ボンカレーという食いもんなのだ!」というテロップが頭の中で勝手に流れた。
食べながら箱をまじまじと眺める。 暖色系のモッズ・ターゲットのような「重なった輪っかマーク」は脳に焼き付いている。 ここで輪っかが気になりはじめて検索をし、公式サイトにたどり着く。
「丸印にはおいしさ三重丸の意味が込められている」とあった。 しかもこの丸印がパッケージに採用されたのは1978年で、販売から14年が経過してからだということを知った。 てっきりはじめから三重丸だと。 いやためになった。
この辛口、箱の表には「スパイシーな辛口タイプ」と銘打っているが、裏側には「カルダモンの香りがきわだつスパイシーなカレー」と表記されている。 表は万人向きな表現だが、裏を見るとガラムマサラも手作り派のコアなカレーファンもキャッチするコピーとなっている。 なるほどロングセラーも頷けるわけだ。