バナナ
三人の子供たちは晩ごはんの後にバナナを食べました。
バナナがとてもおいしかったので、もう一本ずつ食べました。
二本目をいち早く食べ終えた長男が「もう一本!」といいました。
すると、残る二人も「もう一本!」と手を上げました。
バナナはもう、残り一本しかありません。
三人のうち、一人しか食べることができません。
次の瞬間、長男は「じゃ、オレいいや」といいました。
続いて長女が「わたしもいらなーい」といいました。
そのときすでに、バナナは次男の手にありました。
「皮をむいてあげるよ」と長男がいいました。
「いや、わたしがむいてあげる」と長女がいいました。
そのときすでに、長女の手はバナナにかかっていました。
長男はとっさにオイを向いて、「あしたも牛乳かってきてね」といいました。
オイは冷蔵庫の奥から新しい牛乳を取り出しました。
長男はニコリとして風呂に入りました。
フロ上がりのつめたい牛乳は、格別なのです。