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2007/01/23

一口餃子の憂鬱

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焼きたての一口餃子を口に放り込むと、皮がサクッとしていて、アンによく味がついていてそこから肉汁が染み出してきて、ウマイ。 ラー油をたらしたポン酢ダレなんかつけなくても十分イケル。 いや、むしろタレはつけないほうがウマイ。 しかし、横っちょに盛られた辛味噌はつけて食べたほうが酒飲みにはうれしい。

とまあ、よく行く一口餃子専門店の話なんだけど、これから深酒しなければならないであろうと予測される宴会の前に、やはり腹になにか入れておかねば悪酔いするでしょうという自身への心配りから、一口餃子一人前10個とビールを注文して、ものの数分で食いつくし店を出る。

飲む前に食べてもウマイが飲みながらでも、飲んだ後でも、老若男女だれもが大体美味しいという一口餃子である。 しかしひとつ注意しておかねばならないのは、あくまでもこれは焼きたての話であるということだ。

先日、知人の知人という団体の長崎観光案内を任命され『夜の長崎めぐり』をしていたときのこと、ベロンベロングテングテンになったそのご一行が「小腹がすいた、なにか食いたい」と言い出した。 ならばと行きつけの豚骨ラーメン屋につれていき、上質の豚骨スープを堪能させた。 しかし中にひとりウルサイのがいて「スープがあっさりしすぎている」とか「麺が少なくて固い」だとか「やっぱりチャンポンがよかった」と文句をつける。

少しカチンときながらも、オイは微妙な笑顔で「ホホホ、そうっすか? コッテリが好みなんですねー。」と流す。 どうもこのおっさん(もといおじ様)は、相当なにか食いたい様子で、ラーメンは即平らげており、皆が食い終わるまで口寂しいのか紅ショウガを手のひらに山盛りのせてガリガリと食っている。 飲み屋の代金は全てこのおじさんに払わせている手前、もうちょっとなんかこう満足させてやらねばならないような気がしたオイは、すぐちかくにある一口餃子屋に行かないかと尋ねてみる。

「ほー、餃子か。 イーネ、イーネッ。」とノリ気だったので、オイとおじさんだけ先にラーメン屋を出て餃子屋へ向かう。 そして満員の店内に入り、なんとか席につくことができたその瞬間「オエ、オーエ」と、非常に横柄な態度で店員を呼びつけ、ビールを2本注文するおっさん。 ビールをこぼしながらオイのグラスに注ぎ、一体今日何度目になるのかわからない乾杯をする。 「いやー今日はあんがとね、オイくん。 お、面白かったよ」と満足げ。

まさにタコのような風貌、色をしたおじさんに、一口餃子は一体どのくらい食べるのか? とたずねてみたところ『山盛り』という返事だったので「20人前」と注文する。 ほかの方々も食べるでしょうし。

そして餃子が焼けるまでの間、ビールをひたすらお酌していると「オ、オエッ。 ウー」とおっさんが苦しみだした。 「もうアカン、アカン」と、なぜか関西弁になっているところがウケる。 「もう帰りたいよ」と言い出す。 となりの客の迷惑にもなっているようだったので、焼いてもらっている餃子は『かぶり』にしてもらい店を出る。 そしてラーメン屋にいるその他の人々の所へ戻り、今晩はおひらきということで帰ることにした。

翌朝、妙にスッキリとして新聞を読んでいるおじさんに、昨日の成り行きを伝える。 少し恥ずかしそうに笑う。 「そういえば、昨日の餃子ありますけど。 食べますか?」と聞いてみると、是非食いたいと答える。

袋から一口餃子を取り出して、レンジでチンをして、さらに焼きなおしてみる。 できるだけ焼きたての味に近づけようと努力してみたわけだ。 そして皿に盛ってみるが、どうもしっくりとこない。 一口餃子を平皿にバラバラと入れると、非常に雑然として見た目が悪いのである。 ならば逆に、普通の餃子のように焼いた面を上にして綺麗に並べてみる。 しかしこれもしっくりとこない。

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一口餃子は、やはりランダムにバラバラと盛られているほうが、絵になるような気がする。 しかも、皿に盛るとなんだか違和感がある。 やはりかぶりで持ち帰った一口餃子は、まだ温かいうちに、そのプラ製容器に入れられたままのところ、手で餃子をつまんで食べるのかウマイような気がする。

皿に綺麗に並べた餃子を前に、おじさんご一行にそのようにオイの考えを伝えながら食べてもらう。 「うん、普通においしいね。」というような、本当はあまり美味しいと思っていなさそうな返答や表情、さらに『普通に』という部分に過敏に反応したオイは、自分もひとつ餃子を食べてみてガッカリとする。 これじゃ一口餃子の美味しさはわからない。

とりあえず一口餃子をお店で食べてもらわないと気がすまないオイは、タコおやじが酔っ払う前に連れて行こうと計画中。

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