カキ焼きはじめました
「鍋物はじめました」
近所の料理屋さんの玄関に、こんな張り紙がでる季節になった。 夏、中華料理やさんの軒先には「冷やし中華始めました。」という張り紙がされるが、「冷やし中華終わりました」という張り紙は見たことがない。 「始めました」と宣伝するならば、「終わりました」の報告もしたほうがよいではないか? こんな話を前に書いたが是非、近所の料理屋さんには「鍋物おわりました」の張り紙も貼っていただくよう説得したい。 いやどうでもよいか。
「カキ焼き始めました」というハタが、国道沿いに乱立する季節になった。 冬といえば、牡蠣である。 しかし「カキ焼き始めました」というお知らせはあっても、「カキ焼き終わりました」という期間終了をお知らせするハタなんてみたことはない。 しつこいか。
殻付きの牡蠣を買ってきて殻をあけ、レモンを豪快に絞り込み、ズズズとやるのはケッコウなものだが、いつもおんなじ食い方ばかりではツマラン。 今日はひとつ、焼いて食ってみようではないか。
まずは昆布をしばらく日本酒に浸しておいて、七輪で炭をおこす。 そしてその上に昆布をのせて、さらにその上にカキの身を並べる。 小ネギなんか散らしたりして、グツグツいいながら半熟程度に焼けたところをパクリ。 カキのミルキーな風味に日本酒と昆布の旨味が加わるものだから、マズいわけない(いわゆるひとつの松前焼)。