ラーメン二郎に触発されて
ラーメン二郎という店をご存知だろうか。
ご存知ってオメェ誰でも知ってるよそんなもんでやんでいバロ畜生・・・なんて口角泡を飛ばしてコアでマニアな通なファンにしかられそうな気がしないでもないが、一応知らない方のために少し説明をすると、説明をしようと思ったが、こちらのサイトに詳しくまとめられているので、リンクを張らせて頂くことにする。
とある人物の「とにかく一度は食べてみるべきですハイ」という証言をもとに、出向いてみると、いまどきのおしゃれなラーメン屋の外観とは180℃異なる、えーっと(言葉を選ぶ)質素な店構えのコジンマリとしたお店があった。 昼飯どきで、若干行列ができている。 食券を購入し、席が空くのを渇望しつつ、様子を眺める。
店員は3名で、無駄口叩かず黙々と、まるで悟りの境地に達したかのような無表情で、業務にあたっている。 時々トンコツスープの入った寸胴を角材で底からかき混ぜる。 店の奥には粉袋が山積みされていて、せっせと手打ちで麺を作っているらしい。 一方お客は黙々と、淡々と、ラーメンを食べている様子。 我々よりも一足早いお客がなにやら店員と短い会話をする。 店員:「ボソボソ・・」お客:「全部」
ハハーん、「全部」ね。 よしよし。 オイもボソボソと何か言われたときには「全部」と答えることに決定する。 そしてさらに待つ。 席が空く。 席につく。 となりの客を観察する。 なんだかハシを口に運ぶスピードが遅い。 どっちかっていうと、もうあまり食べたくないような気配がひしひしと伝わってくる。 これは、おいしいラーメン屋ではなかなか見ることができない箸使いだ。 味が合わなかったのであろうか。
オイのもとにも店員が現れ、「トッピングどうしますか?」と、聞く。 ボソボソはトッピングの件についての会話だったのである。 カウンターに張られている紙によると、ニンニク、野菜、脂、醤油、それぞれの分量の多い少ないを指定できるのだとか。 なるほどね。 全部ってこういうことだったのか。 そりゃーもちろん「全部」
ボソボソからしばらくして、ラーメンが運ばれてきた。 らーめん。 らーめんかこれ? どんぶりに山盛りされたもやしとキャベツ。 その下にのぞく極太の手打ち麺。 これは食いごたえがありそうですな。 どりどり。 「ズ、ズ、ズ。」とスープをススル。 うーん豚骨醤油とは聞いてはいたが、豚骨醤油というよりも、なんだか、長崎にある某ちゃんぽん屋のスープに似ているな、というファーストインプレッション。 野菜は山盛りと書いたが、山盛りどころの騒ぎではない。 中華料理屋の野菜炒め単品よりも、きっと分量は多いはずだ。 麺があらわになるまでには、相当ムシャムシャやらないとイカン。
麺。 見るからに太く、手打ちのコシがあり、ラーメンというかなんというか、ちゃんぽん麺よりも太い。 そしてその分量。 いつまで食っても、麺がなくならない。 丼の底に箸がつかないかという恐るべしボリューム。 チャーシューと呼ぶには厚すぎる豚肉の塊。 これ、完食できるのであろうかという不安が一瞬頭をよぎる。 そして、となりのダルそうに食べていたお客は、おそらくこのボリュームに参っていたのだということを、悟った。 オイはというと、間をあけると満腹中枢がフル稼働しそうなので、とにかく、急いで食べまくる。 しかしいっこうにそのラーメンは減らない。 チャーシューラーメン大盛りさらにビールまで注文してしまった自分を恨む。
というわけで、ラーメン二郎のラーメンの味は云々というその前に、とにかく超分量が多いいや多すぎるというのが完食した感想で、食べ盛り育ち盛りの方々には大変心強いお店であろうと思われる。 安くもあるし。 いやでもきっと、よく味わえば、ラーメン自体もおいしいハズである。 だってマズいものをそんなに大量に食えるはずもない。
そんな二郎にインスパイアされて作ってみたのが、ラーメン二郎風ちゃんぽん。 野菜はキャベツともやしのみのテンコ盛り。 チャンポン麺も通常の2倍。 スープは鶏がら、豚骨にいつもよりも多めに煮干だしアゴダシをプラスしたもの。 これに七味をかけて食べる。 いざ食卓へ、テンコ盛りのちゃんぽんを運ぶ。 それを目にしたヨメのこめかみに、青筋が浮かぶのが見えた。