鮭の燻製

真昼間からビールをやるのもよい。
しかしつまみがなくてはどうしようもないね。 ここはよそ様のお宅なので、それではビールに合うあつまみをチャチャッと作ろう、なんてできやしないし。
スーパードライ小缶を5本ぐらい飲み干したところで、つまみ欠乏感が頂点に達し、しかも、際限なく運び込まれてくる350mlスーパードライ。 飲み始めてまだ15分程度である。 腹パンパンだしうーこまったな。 と、天井を仰ぐ。 なんとなく横の柱時計のほうへ目を移す。 柱時計の下に何か掛かっている。 お、お、燻製?
柱時計の下に掛かっていたのは、北海道旅行のお土産の鮭の燻製であるという。 この家にはそれに興味がある者はおらず、2ヶ月前からそこに吊るされているという。 賞味期限が過ぎているかどうかも不明らしい。
ビールのつまみ欠乏症のオイには、賞味期限がどうのこうのなんていう問題はもはやどうでもイイコトで、食べれるんだったら食べてもイイという許可を得たので封を開け、むしりながら口にほうり込む。 かみしめる。
燻されて乾燥しているにもかかわらず、噛んでいくうちにジュワと、鮭の脂がにじみ出てくる。 鮭の醍醐味、皮もパリパリしていてたまらん! ウマカ!
と、以外にも上質のつまみに偶然というか必然出会って調子がでてきて、昼から飲み始めていたのに、いつの間にか晩酌になっていたのである。