あたり前田のクラッカー
「あたり前田のクラッカー」という響きは、子供の頃実によく耳にしたものだ。 周囲の大人たちはこぞって活用していたかと思う。 そのわりには、実物にお目にかかった事はなく、これは長崎という地域がらなのか、目につかなかっただけなのかは分からない。
ところが先日、ついに現物を見つけてしまった。 長崎市は新大工町商店街奥に佇む駄菓子屋で目にし、思わず「アッ」と指差したのだった。
一袋35円という値段からしてノスタルジア。 子供たちは見向きもしなかったが、とにかくこれは一度食ってみなくては。 即かじれば見た目通り、味も素朴で懐かしい。
前田製菓は1918年創業の老舗。 1960年代「あたり前田のクラッカー」というフレーズのCMで一躍有名になった。 ウィキペディアによると厳密には「俺がこんなに強いのも、あたり前田のクラッカー」というものらしい。
昨今そもそも駄菓子屋自体が、昔はあちこち見かけたのに、ほとんど消えてしまっている。 駄菓子屋で買い物する楽しみは独特であり、100円という予算の中からどの組み合わせで買えば、ムダなく楽しめるかを考える行為自体が楽しかった。 某所では30円のビックリマンが、その他正体不明系の菓子と抱き合わせになって売られており、猛抗議をしてみたり。
思えば上下関係の基礎を学んだのも、駄菓子屋だったような・・・
と何故か、前田のクラッカーをかじっていると、古き良き時代の思い出が蘇ってくるのだった、サクリ。